記事内の引用について 移動式オービスを設置中に目の前の横断歩道で小学生を轢きそうになったトラックにぶち切れる警官たちより
横断歩道を渡る歩行者の小学生に警笛を鳴らし強引に通行しようとしたトラックの運転手が、たまたま付近で移動式オービスの設置作業をしていた警察関係者に見つかり、怒号で説諭され、小学生に強制謝罪させられるという姿をカメラが捉えた様子だ。
速度取り締まりにはパトカーや白バイといった警察車両による追尾式取締り、電波を発射せずに対象車両の速度を測定する光電管取締り、そして電波式のオービスがある。
一般的に『オービス』と呼ばれるが、警察での正式名称は『自動速度違反取締装置』という。アメリカの航空機メーカー、ボーイング社の商品名であるため、厳密にはその他のメーカーが製造する同種の装置を『オービス』とは呼ばないが、便宜上、同種の装置をオービスと呼ぶ。
これまで特定の場所に肯定していたオービスを小型化して、運搬可能としたものが『移動式オービス』だ。場所の固定化を防ぎ、とくに生活道路における速度違反抑止のため、遊撃的な取締りに活用されている。オービスは「Nシステム」と外見が似ているが、Nシステムは『自動車ナンバー自動読取装置』と言い、手配車両などのナンバーを読み取ると、警察本部のほか、付近を警戒中の警察車両に対して一斉に通報する装置で、一般的な犯罪捜査に使用される。
近年ではスウェーデンの『Sensys Gatso Group』が製造販売し、複数の周波数を使う高精度移動式オービス『MSSS』の導入が全国で相次いでいる。
速度違反車両を捕らえると自動的に撮影が行われ、違反者には忘れた頃に交通機動隊や高速隊の本部や分駐所への出頭命令が下り、検挙となる。
取締り当局側が移動式オービスを設置する箇所はそもそも速度違反が多く発生する定番の場所。そこでの事故を抑止したい思惑が取締り当局側にあるわけ。今回は幅が狭く、見通しも良好とは言えない生活道路のようで、移動式オービスの設置を行っていた警察関係者たちは、なおさらそんな思いの中での作業だったのではないだろうか。その目の前で、横断歩道を渡る歩行者に対してクラクションを鳴らし、強引に通行しようとするなどの危険運転をした悪質なドライバー。呆れるしかない。
当該トラックの運転手は複数の警察官らにその場で停車させられ、警察官に怒号で説諭を受けたのち、小学生の前に引き立てられると、今度は小学生たちに謝罪をさせられた様子だ。危険な運転をするとYOUTUBE行きになる好例と言えそうだ。
『なぜそこで取締りが行われるのか』を考えれば、『そこで速度を出す車が多く危険だから』に他ならない。すなわち事故が発生しやすい箇所であり、取締り当局にはそれを抑止したい思惑がある。より慎重な運転を心がけることは言うまでもないだろう。