去年、香川県警から払い下げられたと見られる『元・本物交通覆面パトカー』がヤフーオークションに出品され、界隈で話題になったことをご記憶だろうか。
2023年4月現在、今度は捜査用らしき『元・本物覆面パトカー』が出品されているようだ。
当該出品物のページhttps://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/1086496471
出品者は前回と同じ四国地方に住む出品者で、今回の車両も日産スカイラインV36と見られるセダン型車両だが、『捜査用覆面パトカー』のようである。V36は実際に全国の警察本部機動捜査隊などの捜査車両として配備実績のある車両。
現在はマークXやカムリなど後継車両に置き換わりつつあるが、今なお全国の捜査部門で配備されているV36。
ヤフオク上で『覆面パトカー仕様』のいわゆるモドキ車両が出品されることは珍しくないが『元・本物の覆面パトカー』と銘打った本物が出品されるのは極めて異例だ。
前回の記事でも言及したが、警察の覆面パトカーが再使用できる形で払い下げられるのは珍しいだろう。そのほとんどは機動隊の災害救助訓練や対ライオット訓練にて隊員らに無残に破壊されるか、ヤードでしばしの眠りについたのち、解体される運命にあるのだから。
警察車両としての装備は付属しない
前回は『元・交通覆面パトカー』だったので、その特徴は反転式赤色灯が搭載されていた痕跡だったが、今回は『元・捜査用覆面』とのことで、着脱式仕様となっているようだ。
着脱式赤色灯仕様の覆面パトカーの場合、ルーフ中央に着脱式赤色灯を固定するための『ピン』またはそれを取り外して穴を塞いだ『ポッチ』が取り付けられているほか、車内のAピラー両側には着脱式赤色灯の電源コードを挟み込んで固定するための『ピラークリップ』が追加設置されている場合が多い。
今回の出品車両はどちらも備えており、捜査用覆面パトカーの特徴と一致する。
なお、あの特有の形状の無線のマイクフックならびにアンプ用のマイクホルダーはそのまま残されているようだが、前回と同様、赤色灯、サイレンアンプ、無線機など、警察の緊急車両としての装備は取り外され、付属していないようだ。
V36覆面パトカーでは運転席と助手席の中央スペース『センターコンソール』に“黒い箱”を追加してサイレンアンプを埋め込んで設置されることがポピュラーだったが、出品車両の画像を確認すると、前回のようにセンターコンソールにはサイレンアンプが装着されていたとみられる箇所に大きな穴が開き、それらしき痕跡が残っている。
さらに、無線用アンテナも撤去されているようで、外部にそれらしきものは見当たらない。残念!?ソコは市販の日本アンテナ製『MG-450-TP』を楽天で購入して、付けちゃいたい誘惑が……。
『元・緊急車両』仕様に関する各種質問は不可
このV36スカイライン、擦り傷は数カ所あるものの、”前オーナー”は丁寧に乗っていた印象だ。なお、年式は平成24年 (2012年) で、走行距離は201,600 kmとなっており、陸運局には現在『緊急車両』で登録されているとのこと。だが、出品者は前回同様『元・緊急車両』仕様に関する各種質問にうんざりしており、それに関する質問は一切お断りとのことだ。購入したい人も気になる人も、くれぐれもそのような質問はしないように注意が必要となっているようだ。また、現車確認もお断りとなっている。
前回の香川県警の元・本物交通覆面の落札価格は100万円近かったが、今回はいくらの値がつくか注目だ。なお、現在の価格は449,000円となっている。高いか安いか、マニアはどう見ているのだろうか。
4月5日現在、まだ落札者は現れていない。