人気(!?)の埼玉県警WRX S4(ブルー)交通覆面パトカー、事故で損傷か

記事内の引用について 神奈川の撮りパト@Maniapoliceさんより

これがいつものように現場の職員個人の意見なのか、組織としての公式見解なのかは不明だが、各地では警察施設の『出待ち撮影お断り』がチラホラ増えているらしい!?筆者の大好きな『琴似庁舎出待ちスペシャル』も見られなくなるのだろうか!?

ところが幸か不幸か、パトカーマニアは『警察は嫌いだけど、パトカーは好き』な人も含めて絶賛増殖中。

出待ちか否かにかかわらず、マニア個人がそれぞれ個別の”推しパト”の動向をSNSで発信することはもはやポピュラーな昨今。

本来は秘匿運用が前提の覆面パトカーだが、県費配備の珍車種ともなれば途端にSNSで拡散されて注目されるのも無理はない。佐賀県警などは制服用パトカーをむしろ積極的に広報したことが先日話題になったが、マニアによる”パト活”の意図は交通事故や交通違反の防止のために他ならない。

『パトカーを撮りに行ったら県警公式Twitterで晒される』という新スタイルが話題!マニアの『パト活』に影響は?

とはいえ、運用当局者側の胸の内は本当のところどうなのか、筆者には知る由がない。ともかく、そんな最中の3月21日。マニアのみならず、むしろ関東圏の一般ドライバーから注目度が高いスバルWRX S4の覆面パトカーが『事故っていた』というTweetが投稿され、話題となっている。

警察施設の駐車場だろうか。写真からは追突事故なのか、青いWRX S4のボンネットがひしゃげた様子がわかる。一般車両……ではなく、やはりルーフ中央に『例のフタ』が確認できるため、反転式赤色灯搭載の交通用覆面パトカーのようだ。青いWRX S4を運用する県警といえば、埼玉。同県警では現在、4台のスバルWRX S4(黒、青、銀)を配備しているが、上記Tweetによれば、今回の”事故”で損傷した車両はそのうちの一台と見られる。

乗務していた隊員の安否を心配する投稿者の気遣いに救われるが、現時点で事故の詳細は不明だ。

なお、別件とは思われるが、同じtweetで同県警のヤードと思われる場所でインサイト制服用パトカーも事故った姿で留め置かれているとの状況報告がなされている模様だ。こちらも、フロントがグッシャリとつぶれており、なかなか痛ましい姿だ。

埼玉県警の『WRX S4』覆面パトカーがSNSでバズった理由は?実は埼玉県警だけじゃないのだっ!

このように大いに注目されている”県費モノ”のなかでも、一際ウオッチャーが多い『WRX S4』覆面パトカーは、最高出力300PS、最大トルク40.8kgf・m(いずれもカタログ値)というハイパワーマシンである。

パトカーの県費購入と国費購入とは?

埼玉県警といえば、以前からこのようなハイパワーのパトカーを県費で配備する県警として知られており、日産スカイラインGT-R(BCNR33)の4ドアタイプ『オーテックバージョン 』を神奈川と共に配備した実績がある。

埼玉県警がWRX S4を3色で配備したことがSNSを中心に話題となったのは2021年1月。さいたま市内にある同県警機動センターで三台が揃う形で撮影された画像が話題となったのだ。

覆面パトカーがSNSで”バズ”ったのはキザシ以来の出来事と見られ、大いに注目されたこのWRX S4三銃士。その後、同県警ではさらに1台を追加配備したとの情報もある。

ただし、全国に先駆けてWRX S4を配備したのは2016年の高知県警(同交通部交通指導課)が初。

高知交指の銀豹。かっこいい。次いで青森県警(同交通部交通機動隊)が配備し、埼玉県警(同交通部高速道路交通警察隊)での配備は全国で3例目。

だが、WRX S4の配備で埼玉県警がSNSで話題をかっさらった理由は先の高知、青森各県の配備した黒、銀に加えて覆面パトらしからぬ『WRブルーパール』というボディカラーのプレミアム感と言えそうだ。これまでも、大阪府警などでは捜査覆面の『インプレッサ WRX STI』においてブルーマイカが配備された実例はあるが、やはり警察車両でこのカラーは反則的なインプレッション。

また、3県警本部で配備されるWRX S4を見比べて面白いのは、埼玉県警の同車両はリアワイパーを外している点だ。

これはリアトレイに設置された電光表示装置『パトサイン』の視認性を優先させたためとの指摘がなされているが、”リアワイパーレス化”は見破りのサービスポイントの一つと見ていいだろう。

さらに、覆面パトカーの基本装備の一つである『警察無線用アンテナ』も、各県警でそれぞれ異なる設置例を見せており、マニアには興味深い。

高知県警は後部にガラスマウントアンテナ、青森県警はいわゆるユーロ偽装型無線アンテナ『MG-UV-TP』を車内リアトレイに設置。いずれも”車内アンテナ”化され、後部からの見分けは困難。ルーフの純正フィンアンテナと無線用アンテナとが、お互いに(見た目の)干渉を引き起こして、見る者に違和感を与えてしまう懸念を少しでも払拭したかった狙いがあったのかは不明だ。

一方、埼玉県警のWRX S4では香川、青森に対して、濃いィスモークが貼られておりながら、粋にユーロ偽装型無線アンテナをトランクリッド右側に設置しており、正々堂々で好印象!?大いなるヒントを与えてくれる意図は不明だが、単に秘匿性よりも無線通信の確実性を優先させただけかもしれない。車内アンテナは飛ばないので……。でも、警察無線は『山かけ通信』だからいーんです!?

覆面アンテナ風『MG-450-TP』による430MHz帯送受信実験が公開され話題。驚きの結果は

いずれにせよ、事故を起こしたと見られる埼玉県警のWRX S4であるが、乗っていた隊員および関係者の生命に別状がないことを祈りたい。あ、インサイトも。