生活安全部では風俗関係の届け出受理に関する事務からネット犯罪、少年事件など幅広い刑法犯以外の事件を担当している。
警視庁では過去、少年事件や風俗、不法就労、薬物関係の取り締まり、ぱちんこ屋の許認可を行っていた保安部、それに組織暴力犯罪対策を担っていた防犯部を統合した部門が生活安全部だ。
生活安全……なんて名称からは街で起きる一般的な犯罪をイメージさせ、実際、私たちの暮らしに身近なゴミの不法投棄などの環境犯罪や、経済犯罪などを担当しているが、違法なものを日本に持ち込ませないように水際で摘発したり、組織暴力犯罪までも担当している。
このうち、薬物と銃の捜査については近年、組織犯罪対策部(または組織犯罪対策局)へ移行し、さらなる専門性を高めた捜査と摘発に着手している警察本部もある。一般の警察署では「生活安全課」としてほとんど「何でも屋」として刑法犯以外の事件に従事する。
刑事課と生活安全課の違い
刑事課では殺人や放火、それに強盗や傷害といった凶悪犯罪のほか、窃盗、知能犯、組織暴力による犯罪、 銃器・薬物犯罪など、重大かつ凶悪な刑法犯罪を検挙することを任務としている。
一方で生活安全課では主に未成年の少年たちの補導、風俗や環境犯罪、ヤミ金融、サイバー犯罪といった事件の「予防」と「検挙」が任務となっている。
ただし、所轄署の規模によっては刑事課と生活安全課が統合されている場合があり、その際は『生活安全刑事課』などの名称を使う。
インタ―ネットにかかわる犯罪なども取り締まる
インターネットバンキング不正送金事案なども対応する。
生活安全部と風営法
生活安全部では風俗営業法に基づいて業者の開業の届け出の受理を行っている。警察が風俗営業法に基づいて届け出を受けたり受けなかったりしている業種は多岐にわたるが、生活安全部では反社会勢力が背後にいないかなどを審査したうえで届けを受けている。
生活安全特捜隊とは
生活安全特捜隊は各都道府県警察本部生活安全部の中に編成されている「執行隊」。つまり、生活安全部が掌握する事件の捜査を直接機動的に行う捜査員たちの集団だ。主に組織的事件の摘発に取り組んでいます。
極端に言えば、刑事部の捜査一課や機動捜査隊などは、すでに発生してしまった事件を迅速に捜査する執行隊だが、セイアン特捜隊は事件が起きる前の段階で未然に捜査に着手し、犯罪を防止するという使命を持っている。
地味ながらも私たちの暮らしを守るために日々奮闘している部隊と言えるだろう。
朝5時に特捜隊員満載のエルグランド覆面がやってきて「おう、おはよう!アンタ、何でウチらが来たかわかってるでしょ」って言われるような生き方だけはしたくないものだ。
警視庁の”さくらポリス”って?
時折テレビをにぎわせるストーカー犯罪なども生活安全部が担当している。なかでも警視庁生活安全部生活安全総務課子ども・女性安全対策専従班は「さくらポリス」と名称を持ち、女性や子供を狙った主に性犯罪などを専従で捜査する部署である。