警察官の俸給が一般職公務員よりも高い理由はシンプル

職務の特殊性に優越をつけられた警察官の給料と一般行政職公務員の俸給表を比べること自体が間違い!体系の異なった公安職俸給表が適用される警察官たちの給料を今こそ知ろう。

警察官といえば、その待遇のよさを警察自ら警察官募集で売りにしており、公安職公務員の中でも飛びきり高い。

日本の警察官は数ある公務員のなかでも『公安職公務員』と規定されている。つまり、公務員の中でも治安の維持、すなわち公共の安全を維持するため、危険な仕事に従事するという理由から、お給料が比較的高いのである。その俸給事情も警察当局自らが自分たちの給料の良さを募集でアピールしていることでもわかるように、民間はおろか行政職公務員よりも高額となっている。

だが一方で「警察官の待遇は実はそんなに良くない」と著書の中でおっしゃっているのが、元警視庁刑事の北芝健氏だ。しかし、そんな北芝氏も現職警察官当時は年収が1000万円ほど(となれば、手取りは600万円程だろうか)だったそうだ。

また北海道警察の元生活安全特捜隊長の稲葉氏は自著の中で「ノルマを達成できない捜査員は超過勤務手当てを支給されなかった」と記述しており、ノルマのない仕事なんてないと言われる通り、警察もブラック同様になかなかシビアな世界なのだろうか。

警察官の各種手当やボーナス

基本給は安いけれど(そう言うと語弊があるが)、お手当やボーナスがドカンとつくのが世の中の一般的なアットホームなブラック企業と違って、警察という公務員のおいしいところ。

例えば、職種によって刑事手当、白バイ手当、鑑識手当などの特殊勤務手当が支給されている。さらには宿日直手当などについても特別の措置がとられている。

典拠元 http://www.npa.go.jp/hakusyo/s50/s500900.html

その中でもやはり外勤の警察官、つまり交番勤務や、パトカー乗務といったいわゆる外勤の警察官がもっとも稼ぎが良いということになっている。また、機動隊も稼ぎ頭。

都道府県が自ら公開している情報を頼りにすると、以下のようなモデル年収を発見。

長野県警察の年収モデル
http://www.pref.nagano.lg.jp/jinji/kensei/soshiki/soshiki/kencho/jinji/kyuyo/keisatsu.html

58才の参事官で年収996万円、45歳の警部補で年収650万円、35歳の巡査部長で500万円、25歳の巡査で360万円とのこと。 だが、勤続年数などで一概には言えないので悪しからず。

警察病院を利用できる

一方、福利厚生の面でもう一つ。警察職員向けの警察病院があることをご存じだろうか。ドラマなどでは撃たれた刑事などが必ず入院するのが、この警察病院という病院。警察の関連団体が運営しており、普段は警察官や警察職員の福利厚生のために運営されているが、一般の人でも診療を受けることは可能。東京、神奈川、京都、大阪などに設置されているが47都道府県すべてにあるわけではない。

結局、警察官の給料は高いのか?安いのか?

警察官は公務員としての身分も保障されており、充分給料は高いように思えるが、命を懸ける警察官からすれば決して高くはない、ということかもしれない。

なお警察関係者に対する福利厚生の一環として警察共済組合と民間のカード会社が提携してサービスを行っている jp カードというものがあるのでこちらの記事で解説している。

“第2の警察手帳”『JPカード』とは?