選挙演説中に“空包”を投げつけた女性が“ニューナンブのようなもの”の画像をツイートし騒然&大炎上!→削除からの意外な事実判明!

『チョウ類研究者の女性が、警察官に貸与されている”ニューナンブのようなもの”のオリ画っぽいやつをツイートしている』

という情報がTwitterで流れ、物議を醸している。問題の“ニューナンブのようなもの”の画像をツイートしたのは『アキノ隊員』のハンドルネームを名乗るチョウ類研究者の宮城秋乃氏。

同氏のブログには『チョウ類研究者だが北部訓練場返還地の米軍廃棄物の調査ばかりしている』という自己紹介があり、以前から自身のツイッターにて『やんばるの自然保護』などの主張を発信している方のようだ。北部訓練場は米海兵隊の訓練施設で、沖縄県で最大規模だという。

宮城秋乃氏は蝶類研究の傍ら“沖縄県における米軍廃棄物の危険性や返還地の原状回復を訴えてきた功績”が認められ、2020年に「第32回多田謡子反権力人権賞」を授与されている。

なお、宮城秋乃氏は2022年8月、沖縄県知事選に自民党から立候補したサキマ淳氏の占拠演説中、米軍の使用する5.56ミリ小銃用の空砲のようなものを投げつけ選挙活動を妨害したとして、9月に公職選挙法違反で書類送検されたと公言している。

また、同氏はこれまでも沖縄県東村の米軍北部訓練場メインゲート前に『未使用の空包』を並べるなどして『米軍廃棄物に対する抗議』活動を展開しており、同行為では沖縄県警から威力業務妨害と道交法違反の罪で家宅捜索を受け、在宅起訴されている。

折しも、7月には安倍晋三元首相が男に手製の銃で撃たれて命を落とすという、史上稀に見る”民主主義”を狙った凶悪事件が発生。

【動画】安倍元首相の国葬にて首相SPが現場警備責任者の不手際を見かねて指示出し→責任者が『うるさい!黙れ!口出すな!』と市民の前でSPを罵倒→大炎上!

社会が震撼する中、政治活動への警備体制に対する不安を誰もが払拭できない中で起きた『沖縄空包のようなもの投げつけ事件』。

その渦中の宮城秋乃氏が先日投稿したあるツイートに界隈が騒然となっている。

『今回の家宅捜査で押収済み』という文言と『ニューナンブのようなもの』の画像

今回の一連の”ニューナンブらしきもの画像”騒動の発端は、アキノ隊員氏による『空包のようなもの投げつけ事件』および、それに対して沖縄県警がアキノ隊員氏の関係先に実施した家宅捜索によるものと見られている。

そして、9月4日ごろにアキノ隊員氏はTwitterで『入手元が絶対に気になる写真(今回の家宅捜索で押収済み)をアップしますね』との文言とともに”銃の照星”のようなものが僅かに写る画像を投稿。この画像は一体なにか。どこかで見たような覚えがあるのだが……。

回転式けん銃のフロントサイト部分だろうか? M36のようなチープなサイトでもなく、銃身も比較的長いように見えるが……。画像の出典 アキノ隊員氏のツイート

上記のツイートは文元通りの“予告”と捉えてよかったのだろうか。同氏はさらに9月14日、以下のツイートを発した。

”予告”どおり『盛り上げていきますね』として『ニューナンブ』らしきものの画像を突如アップ……。どういうことだってばよ!? 画像の出典 アキノ隊員氏の2022年9月12日のツイート(現在は削除されている)

そして、アキノ隊員氏は前回の予告に引き続いて、今度のツイートではなんと『今回の家宅捜索で押収済み』という文言とともに、銃のようなものの画像をアップした。

しかも、強奪防止用のナスカンまで装着されている警察の制式配備けん銃である『ニューナンブM60』らしきものの画像。

『今回の家宅捜索』とは公職選挙法違反事件とのことなので、例の『空包のようなもの投げつけ事件』に関しての家宅捜索と見られている。

これには画像を見た人々も驚いたようだ。『警察用けん銃を民間人が何故所持しているのか』という疑問の声のほか、中には『県警の横流し』を疑う声もあった。

なお現在、アキノ隊員氏は自ら当該ツイートを削除しており、彼女がアップロードしたこのニューナンブらしきものの画像がオリジナルであるかは依然不明だが『転載画像』との指摘は現時点でされていない。

また、削除したことについては以下のような指摘があり、これが3000件以上もリツイートされ、結果的にこの指摘が”疑惑”に拍車をかけている形だ。

もはや説明不要かとは思うが、ここで軽くおさらいしておこう。

ニューナンブM60とは警察庁、国土交通省、法務省、厚生労働省などで配備されている我が国の誇る国産官用けん銃だ。

すでに生産が終了し、耐用年数経過で配備数も減少しており、警察では90年代に後継のM37エアウェイト、2006年から調達を開始されたM360J SAKURAに段階的に移行しつつあるが、いまだ現役の我が国の官用拳銃である。

警察では主に制服警察官に貸与される77mm長銃身および、私服・幹部用に貸与される51mm短銃身の二種を配備している。

ただ上記の通り、ニューナンブM60は警察以外の一部の官庁の司法警察職員にも貸与・配備されており、”警察官用けん銃”ではなく、”官用けん銃”とするのが正しい。

それぞれの銃種について詳しくは下記項目を参照のこと。

都道府県警察では3種類の回転式および、2種類の自動式けん銃が主流

 

ともかく、今回のアキノ隊員氏の当該ツイートの画像に映るのは77mm長銃身、いわゆる3インチモデルの『ニューナンブらしきもの』。

とはいえ、これが実銃だという確固たる根拠もなければ、県警の横流しという根拠もなく、現段階でなにもかもが不明であることに念のため留意したい。したがって、当サイトでは当該品について、あくまで『のようなもの』、『らしきもの』と表現するほかない。

いずれにせよ、アキノ隊員氏のツイートにある”写真の掲載のみ”という文言に併記された”(今回の家宅捜査で押収済み)”という注釈からは、彼女がその写真に映る『ニューナンブらしきもの』を『所持』しており、今回の県警による家宅捜査でそれが『押収済み』という事実を端的に主張していると読み取れる。

だからこそ、アキノ隊員氏がアップした『ニューナンブらしきもの』が実銃か否かであるかを巡り、Twitterでは騒動が起きているわけだ。

当然、その”鑑識作業”には何十年ものキャリアを持つ手練れのマニアも参戦。中には元・府警勤務者も・・・・。

当該画像に映る銃らしきものの細部を検証する人、手持ちのトイガンの画像を挙げて比較検証をする人などなど、混迷は深まるばかりなのだ。

『旭工房か、90年代に発売されたガレージキットでは?』という、市販のトイガンや個人のカスタムではないかとの見方もある一方で、彼ら元職やマニアの目線からは『実銃の可能性が極めて高い』という、ほぼ断定する指摘が相次いでいることに、筆者は度肝を抜かれた。

ここで”重大な事実”が発覚・・・

この記事を公開した15日の夜になって、あるTwitterユーザーが一つの事実を指摘した。アキノ隊員氏が相当な”警察マニア”であり、自身のブログの過去記事にミリタリー関係の画像が多数あったとの事実だ。

実際に当該記事を確認すると、確かに警察や自衛隊グッズが多く映っており、筆者の主観では警備警察(機動隊)に関する”資料”が多いようだ。

ただ、上記のツイートをした方が指摘する当該記事における『ニューナンブの模型』は、13日に投稿された『ニューナンブらしきもの』の画像と比べると、グリップの形状や色が異なるため、全くの別物。おそらく市販の硬質ゴム製訓練用ニューナンブ形状の『トレーニング用ラバーガン』ではないだろうか。

【さくら造形 樹脂製小道具】樹脂製 ラバーガン 材質TPR硬質ゴム製 コスプレ 映画 動画 写真 撮影 舞台 演劇 小道具(M014 警察拳銃)

また、アキノ隊員氏が取材に応じたテレビ報道の画像も要注目。自宅(?)とおぼわしき場所で、アキノ隊員氏がインタビューを受けている様子だが、背後には軍装品のほか、沖縄県警マスコットの『シーサーくん』人形など、いろんなものが並んでいて圧巻だ。

自衛隊の迷彩服らしきもの、旧軍のホルスターらしきものなど、反戦団体と行動を共にし、学生運動で権力側と戦った多田謡子弁護士の名を冠した反権力人権賞を受賞した彼女の主張とは不釣り合いなものが多いように感じられ、その真意が読み解けない筆者の視野の狭さと想像力の欠如がまことに恥ずかしい。

さらには現在、敵対中であるはずの沖縄県警マスコットのシーサーくん人形が鎮座しているが、これらも家宅捜索時に県警に押収されたかどうかは不明だ。

また彼女がフィールドワークで着用している紺色のベストは警察官に貸与されているものと形状が似ており、無線機のようなものを着用し、そのマイクロホンを肩付近に装着している姿も興味深い。

極め付けはアキノ隊員の鱗翅体験2に掲載されているアキノ隊員氏自身の画像が『沖縄県警の冬制服のようなもの』を着用した姿。この制服姿についてはアキノ隊員氏の別の Twitterアカウント「アキノ隊員の緊急車両等撮影記」にて公開している情報によると、数年前の沖縄県警の110番の日関連のイベント時に着用したものなのかもしれない。

なお、この”相当な警察マニア”との指摘に対しては、彼女自身が反応して半ば認めた形だ。

だが、現時点で当該画像の『ニューナンブらしきもの』について、彼女の口から種明かしはされていない。

そもそも『実銃のニューナンブの画像』が出回るなどあり得るのだろうか?

市民と密接な微笑ましい県警イベントで楽しむアキノ隊員氏、羨ましい限りだ。さて、当該の『ニューナンブらしきもの』画像の真偽はともかく『実銃のニューナンブの画像』が出回ることがあるか否かを考察しよう。

過去、1960年代の専門誌『GUN』で新中央工業時代のニューナンブの製造工程を逐一詳細に密着取材した記事が掲載されたことがあった。マニアには有名な『新中央工業株式会社〜ニューナンブM60の出来るまで〜』という特集記事である。パーツごとに次々と仕上がっていくニューナンブ、熟練の職人による研磨作業など、生々しい現場写真は今でも学術的価値が高く評価されている。

また、『アームズマガジン』2003年4月号において『実銃レポート 徹底検証!ニューナンブM60 回転式けん銃』という特集が組まれており、これは表題の通り、なんと実銃ニューナンブの細部を写真と共に詳しく解説している、とのことだ。

 

先述の通り、ニューナンブを配備しているのは警察に限ってはいないため、海保、厚労省、法務省、財務省、いずれの捜査機関/捜査部門が取材に応じたのか不明だ。上記のツイートツリーの中には『警察官個人がこっそり写真を提供したのでは』というような指摘もある。

また、80年代の映画に関して言えば、高倉健さん主演の映画で警察側が協力して、実銃ニューナンブがスクリーンに登場したこともあった。映画ではこれが唯一の事例だろうか。

実銃ニューナンブが登場した高倉健主演のあの有名映画とは?

 

とはいえ、これらは捜査機関側が正式に撮影許可を与えた事例だろう。

一方、警視庁の公式施設である警視庁広報センター、通称『警察博物館』では以前、実物のニューナンブがガラスケース越しに公開されていた実例があるが、係員の案内で見学できるもので撮影は認められていなかった。

また、筆者の知る限りでは、自衛隊の装備品展示と違い、警察が『市民とふれあい系』公開イベントで”陳列”する形で『ニューナンブ』を市民に展示した例など、ないのではないか。

では『警察官が個人的に撮影した画像』はどうか。いわゆる個撮である。略すなよ。いや、個人的に撮影というのが論点なのだ。

個々の事例全てを知るわけではないが、現代のSNS社会では業務上の関係者でなければ知り得ない情報をSNSに投稿して物議を醸す、いわゆる炎上事案は幾度も起きている。過去、現職の警察官とされる人物が捜査に関する情報をツイートして問題になったことがある。SNSではないが、警察無線の音源を外部流出させた現職もいた。

しかし『現職が貸与された銃の画像を投稿した』事例はおそらくないだろう。

その理由は単純明快だ。警察官等拳銃使用及び取扱い規範(昭和三十七年国家公安委員会規則第七号)における『けん銃の安全規則』の項の六と七にて、以下のように定められているためだ。該当箇所を抜粋した。

(拳銃の安全規則)

第十四条 警察官は、拳銃の取扱いについては、次に掲げる安全規則を厳守し、危害防止について細心の注意を払わなければならない。

六 必要がある場合のほか、拳銃入れから拳銃を取り出し、又はこれを弄ばないこと。
七 職務上必要のない者には、拳銃を渡し、又は拳銃に手を触れさせないこと。

出典 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=337M50400000007

『必要もないのにけん銃をホルスターから取り出すこと』自体が懲戒となる規則違反なのだ。個人的な撮影などは不必要の最たるもの。

必要もないのにけん銃をホルスターから取り出した事例といえばあの葛飾警察署におけるけん銃使用上司恫喝事件だろう。

なお、知人などに銃を渡し、持たせることも規則に反する行為。したがって、どのような理由であれ、現職警察官が自らに貸与された装備品を個人的に撮影したり、ネットにアップしたりなど考えにくい。またその画像を家族や知人に譲渡する行為も同様だ。

そもそも、貸与されるけん銃にはシリアルナンバーが割り振られている。仮にナンバーが画像に映り込んでいれば、本部装備課がそれを辿れると、たちどころにして貸与された警察官が判明してしまう。ナンバーのみならず、各部のスレ具合から個別の銃を特定する作業も徹底的に行われるだろう。規則違反なのだから。

そんな危険を冒してまで、現職警察官が貸与された銃の写真を個人的に撮影したり、ネット上にアップなど規則違反を犯すだろうか。一時的な承認欲求で将来の昇任欲求をフイにするだろうか。

つまり、現在のネット上で閲覧できる実銃のニューナンブの比較的鮮明な画像は、ほぼすべて式典などにおいて大手御用メディアの前で公開されたものに過ぎない。ごくまれに個人と思われる人物が、そのような式典に観客として参加し、望遠レンズで撮影した場合を除けば。

なお、M37エアウェイトの後継モデル『M360Jサクラ』に関しては海上保安庁が同庁公式サイトで鮮明な写真を、同じく厚生労働省は麻薬取締官公式サイトでベレッタM85を公開しており、当サイトではそれらから出典を明示して画像を引用させていただいた上で、批評、研究をさせていただいた。上記省庁には、この場を借りて感謝を申し上げたい。本当に申し訳ありませんでした。謝罪かー。つまらないんだよお前。

アキノ隊員氏のアップした『ニューナンブらしきものの画像』を検証

では、当サイトでもアキノ隊員氏がツイートした『ニューナンブらしきものの画像』から”本物か否か”を検証していきたい。

『アメリカ製の拳銃なんてイモだよ。ニューナンブこそ、ニッポンのお巡りさんの象徴だと思わないか』とは鳴海章さんの小説『ニューナンブ (講談社文庫)』からの引用だが、その『お巡りさんの象徴』たる『ニューナンブM60』はトイガン愛好家や刑事ドラマの主役になり切りたいファンから根強い人気は衰えず、後継機種のM37エアウェイト、さらにその後継のM360J SAKURAがタナカからモデルアップされたり『相棒』の中で『サクラ』が登場し、次世代の官用けん銃として世間に注目されても、トイガン市場では今もニューナンブの人気に陰りは見えない。日本警察の象徴たる地位は不動のものになっているのだ。

『ニューナンブ』の遊戯銃を販売するメーカーは?

現在のところ『ニューナンブM60』を遊戯銃(いわゆるエアガンおよびモデルガン)としてモデルアップしているのはマルシン、ハートフォード、旭工房の3メーカー。なお、マルシンでは『ポリスリボルバー』、ハートフォードでは『J-Police』としてモデルアップし、製品名に”ニューナンブ”の名称を用いていないが、それぞれ『オマワリさんの銃』、『日本警察銃』という表現を用いており、形状からも明らかにニューナンブを再現しているため、便宜上この記事ではすべてニューナンブの遊戯銃として扱う。

このうち、マルシンとハートフォードの製品は量産品で、旭工房のものは価格を抑えた廉価版と、リアルさを追求した高級路線がある。

また旭工房では『リアル ニューナンブお持込み加工』というワンオフのカスタム制作も受注しているようで、これはマルシン製『ポリスリボルバー』をベースに指掛け(サムピース)変更、刻印加工およびパーカーライジング風塗装を施したもの。あのオモチャ丸出しのエアソフトガン『ポリスリボルバー』が、すこぶるリアルな『お巡りさんの象徴』として息を吹きこまれてしまうのだから震える。

なお、旭工房はみなさんが見ている多くの刑事ドラマや映画に日本警察で実配備されているけん銃のプロップガンを提供している老舗カスタムガン工房。フジテレビ制作の映画版およびNHK BS版『新宿鮫』で鮫島警部が使用していたニューナンブのプロップガン、最近では『藁の楯』のP2000などが有名だ。同工房がなければ、昨今のリアル路線の刑事ドラマは生まれず、今でもM10やチーフスなどを使っていたかもしれない。でも本城さんのデトニクスとかの架空路線も好きなんですけどね。何歳だよ。

しかし、ここまで『実銃のニューナンブ』を造形正しく雰囲気バッチリで再現したトイガンは存在するのか?

実銃画像とモデルガン画像を比較

では上記のトイガン事情を踏まえて、アキノ隊員氏の『ニューナンブらしきもの』の画像について考察してみよう。

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上記画像の出典 アキノ隊員氏の2022年9月12日のツイート。※画像内の文字や図形は当サイトではなく、第三者がつけたもの。当サイトではサイズ縮小以外の画像加工は行っていない。

結論から言うと、市販のどの量産品トイガンとも一見似ているようで似ていないどころか、リアルすぎる。いや、早まるべきではない。細部を検証していこう。

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例としてハートフォードのモデルガン『J-Police』と『アキノ・ニューナンブ』を比べよう。両者はシリンダーのノッチやフルート形状、ビスのサイズ、刻印、あらゆる部分が異なるのだ。フルートが細すぎる。

こちらはハートフォードのモデルガン『J-Police』のヘビーウェイトバージョン。金属の擦れ感が実銃の雰囲気を醸し出している。

なお、実銃ニューナンブをいかにリアルに再現できるか否かの条件、それは特徴的なグリップをいかに忠実に再現できるか否かと同義だ。

中でも、スモーキーズガンファクトリーが過去に販売したカスタムキットのグリップはすこぶる再現性が高いと定評がある。

なお、ニューナンブのグリップに関しては納入時期によって、同じ『あずき色』でも『明るめ』と『暗め』の二種類のカラーリングがある。

もちろん、プラスチックのモデルガンであるから、HW(ヘビーウェイト)樹脂と呼ばれるプラスチックに重金属粉を混ぜて重量を増した素材と、特殊な塗装によって金属感を出しているに過ぎず、誰にも怒られない遊戯銃である。

なお、先日の『スカイマーシャル事件』でも触れたが、金属シリンダー仕様のエアガンやモデルガンであったなら、筒抜けはアウト。かつ、モデルガンでは黄色か白色に塗色しなければならない。

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とは言え、いくら(トイガンの)ヘビーウェイト樹脂でも、実銃の金属の色艶にはまだまだ及ばない。アキノ隊員氏の『ニューナンブらしきもの』の画像もまた、シリンダーフルート周辺の表面が微妙にかすれて『金属の地肌が出ている感じ』が生々しい。

マルシン 6mmポリスリボルバー 3インチ HW Xカートリッジ仕様

マルシンの『ポリス・リボルバー』はヨークやシリンダーフルートの形状とサイズ、グリップの色味など実銃ライクだが、『アキノ・ニューナンブ』の”完成度”には遠からずも近からず。だが『ポリス・リボルバー』ベースの”フルカスタム”ならワンチャンあり・・・!?

一方、こちらはマルシンのエアソフトガン『ポリスリボルバー』。比較的安価なエアソフトガン路線で警察マニアに訴求する商品だが、そこそこ仕上げはよく『弾が飛んで遊べるエアガン 』なので、人気が高い”ニューナンブ”だ。だが、各部の形状や仕上げが違う。サムピースは旧タイプ。

そして、これら『ニューナンブのモデルガン』で現在、最高峰とされるのが旭工房の”高級カスタム”だ。職人が丁寧に造るワンオフの最高級モデルガンである。

マルシンの『ポリスリボルバー』にしても、ハートフォードの『J-Police』にしても、おおまかなシルエットはニューナンブそのものだが、実銃に比べると細部がかなり違う。『造れない』のと『造れるが、あえて造らない』のとでは違うだろう。『実銃に似せすぎない』というメーカー各社の自主規制が働いて、あえて違う形状にしているのではないだろうか。

もっとも、これらのメーカー以外にも『ニューナンブ』を『ワンメイク・カスタム』で制作を請け負っている個人もいるだろうし『ここまでリアルなニューナンブのモデルガン(オーダーメイドのカスタムガン)はこの世に存在しない』とは言い切れない。だが、それを個人レベルの設備でできるのか?という疑問はある。

上記の画像は高倉健主演の『駅 STATION(©東宝)』から引用したもの。実物のニューナンブM60のシリンダーを開放し、執行実包を装填した直後の様子。なお、銃を構えている人物は俳優の健さんではなく、現職の警察官と思われる。

上記の右の画像はみんな大好きWikipediaのニューナンブM60のページにある著作権フリーの実銃ニューナンブM60画像。左はアキノ隊員氏がアップしたニューナンブのようなものの画像。グリップスクリューの深さ、指かけやトリガーの形状、とくにシリンダーなど見える部分だけでも細部をよく比べてほしい。とくにシリンダーのすれ具合などは、両者でほとんど相違がないように見えるが、皆さんはどのように考えるだろうか。

そして『確実な法執行』を期するため、シリンダー後部に設けられたノッチの彫り(ミゾ)の深さを両画像で見比べてほしい。

シリンダーノッチはフレーム内下部から上に突き出す突起状のシリンダーストップと噛み合うことで回転式弾倉を確実に銃口位置で停止させるために設けられたもの。

リボルバーではそれが確実に作動することが発射の大前提だ。

それゆえに、飾り程度の浅い彫り込みではその作動を担保できない。だからこんなにも深くノッチが掘られ、確実に『回して停める』わけだ。

リボルバー型トイガンでも、その回転させる機構自体は同じはずだが、多くの場合、どうもそれがお座なりに再現されてしまっている。たとえノッチが浅くて回転不良でも、不正位置で停止しても、誰かが命を落とすわけではないからだろうか?

また、サイドプレートにある日本警察では『指掛け』と呼称する『サムピース(コルト社ではラッチ)』の形状も、すこぶるリアルで工作精度が高い。なお、実銃ニューナンブのサムピースは数度、形状が改修されている。納入当初は『洗濯板』形状、第一改修がマルシンやハートフォードが再現している『潰れたワラジ虫』形状、そして第二改修がワラジ虫にやや厚みを持たせ、尾の部分を”カット”した版。奇しくも両画像で酷似した形状だ。しかし、Wikipediaでは『彗星の尾』と粋な表現を用いてるのに『潰れたワラジ虫型』ってヒドイ表現だなお前は。お前は間違ってもWikipediaを編集するなよ(笑)

今度はグリップスクリューの深度に注目。実銃ではスクリューの埋没はかなり深い位置だが、マルシン、ハートフォードではスクリューの頭が表面に近い位置にあり、浅く再現性が低い。したがって、これも実銃通りと言えそうだ。

シリンダー前方にある肉厚重厚なクレーン(ヨーク)部にも注目。モデルガンではこれも再現性が問われる箇所だが、こちらもほぼ完璧。

ほかにもエジェクターロッド先端の細かな工作精度、トリガーの形状、トリガーと安全ゴムとの干渉具合、ナスカンのダメージ加工(笑)など、それぞれのパーツの具合を挙げればキリがないのだ。

『確実に各部が作動するように』きっちりと仕上げられた感が、雰囲気の違いを醸し出しているが、こんな完璧なモデルガンはたまげたなあ・・・・。一体、誰の『作品』なのか?

上記のツイートにて『旭工房を超える代物』と言及されているのが、なんとも言えない。

つまり、モデルガンであるならば、その再現性が異常に高すぎるとの評価だ。もはや芸術レベルというわけだ。

にしても、JフレームのM36チーフスをなんでこんなに太らせたの?って思うところはあるにせよ、ニューナンブをまじまじ見つめていると、その造形美は決して悪いものではないと思えてくる次第。

『新宿鮫』の原作版では密造銃の天才こと木津が鮫島警部を捕らえ、ニューナンブを取り上げたうえで『てめぇこの野郎…手で持つとこ(グリップ)だけでもうこんなにも大きくなってるじゃねえか。(M36を)コピーするならきちんとコピーしろよ。できそこないだよ、このニューナンブってやつはよお!』などと吐き捨てていたが。いや、言ってない。それはお前の見た汚い夢芝居だし気持ち悪いわ。

ニューナンブらしきものの側面にある刻印を考察

大きい元画像はTwitterに落ちているので各自で検証して頂きたいが、さらにアキノ隊員氏のニューナンブらしきものの画像によく目を凝らしてみよう。

製造年等の刻印

すると、左サイドプレートにあるサムピースの下には刻印らしきものが見てとれ、わずかに『1971』という数字が判読できる。

これは製造年度だろうか。下記のtweetは実銃ニューナンブ。出展資料は不明だが、比較のために紹介する。

実銃では製造番号、その直下に当時の新中央工業の社章、そして製造年の刻印となっている。アキノ隊員氏のアップしたニューナンブらしきものの画像と、実銃の画像とを比較しても、お互い、極めて近似の位置に製造年が刻印されているのがお分かりだろうか。グリップに製造年の末尾がやや隠れ気味になるのも特徴だ。これを個人制作のワンオフ・カスタムはともかく、量産モデルガンで再現したメーカー、あります?

ただ本来、直上にはシリアルナンバー、すなわち製造番号も併記されているはずだが、画像からは確認できなかったため、詳細不明だ。

『NEW  NAMBU』の刻印

さらにアキノ隊員氏のアップしたニューナンブらしきものの右側面には『NEW NAMBU』の刻印がある。ニューナンブの英名表記は『NEW NANBU』ではなく『NEW NAMBU』であるため、正しい綴りで刻印されていると思慮される。なお、『NEW NAMBU』の刻印には前述の旭工房さんの仲代光希氏のブログに逸話がある。

アキノ隊員とニューナンブらしきものの画像の騒動まとめ

いやはや、安倍元総理銃撃事件で銃に関してナイーブになっているここ数ヶ月の日本社会に突然降って湧いた『ニューナンブ騒動』。

9月27日には故・安倍元総理の国葬が予定されており、国民世論がその開催の是非に意見が割れているというが、21日には反対派の焼身抗議も起きており、当日の過激な抗議活動など、警備体制への懸念は払拭できない。

ネット上では『蝶の研究家が県警のニューナンブを持ってるのは沖縄では普通なんですね』とのツッコミがあるが、”盛り上げるため”と云う彼女の真意や、ブツの詳細が不明であるが故に、笑うに笑えない。空包のようなもの投げつけ事件がとんでもない余波を引き起こしたようだ。

いずれにせよリアルすぎるニューナンブらしきものの詳細については現時点でアキノ隊員氏から今も声明はない。

したがって、当初から変わらず、当サイトとしては真贋の判定は棚上げだ。お前、ハマー覆面の時もそう言ってたろ。

ただ、もし法律の範囲内のモデルガンであるのなら、多くのマニア諸氏が指摘されている通り、この再現性の高さは間違いなく称賛に値するもの。

『騒げば騒ぐだけ彼女の利になる』という一部指摘もあるが、もしこれが彼女自身の作品であったなら、心から拍手を送ろうではないか。我々無垢なマニアを一本釣りしてくれたのだから!?

とにかく、全国のマニアに波及するような”県警の不祥事”でないことを願うばかり。経緯が不明な現時点で『横流し』『内部に協力者がいる』などと断定口調で”嫌疑”をかけられた県警もトバッチリだろう。

続報が入り次第、追記したい。