某県警の『元・本物交通覆面パトカー』がヤフオクに出品される

ヤフオクで『元本物交通覆面パトカー スカイライン 元緊急車両 激レア 公用車 パトカーマニア』という商品が愛媛県の出品者から出品され、マニアの間で『本物の覆面パトカーが売りに出されている』として、話題になっている。

この『元・覆面パトカー(V36スカイライン 370GT TypeS)』は、”香川のご当地覆面”ではないかという指摘がある。

そう、実は一部の県警ではV36の交通覆面を県費で配備していることは以前から知られていた。香川県警や埼玉県警だ。

1/43 日産 スカイライン 350GT (V36) 2007 埼玉県警察高速道路交通警察隊車両 (覆面/白) H7430718 レイズ

レイズから発売されている日産 スカイライン 350GT (V36) 2007 埼玉県警察高速道路交通警察隊仕様車。こちらは350GTで香川県警の370GTとは排気量が異なる。

『噂の香川県警 激レア覆面パト・車両が大集結!! 2020年頭視閲式リハ Nissan Skyline unmarked Police Car』という動画でも、その『レアさ』が指摘されており、同動画内に登場するV36を確認したところ、ヤフオクに出品されている車両と外見上では極めて酷似している。

余談だが、四国の警察本部といえば、覆面パトカーに外部アンテナを設置することを好まないのか、ユーロアンテナがあまり見かけられないことも挙げられる。上記動画の香川県警の捜査用覆面各種、交通用V36、アスリート覆面など、どれもアンテナが見当たらない。車内に設置していると見られる。

 

 

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V36スカイライン(型式DBA-V36/DBA-NV36/DBA-KV36)といえば、捜査用覆面パトカーとしては国費で全国に配備されておりポピュラーであったが、交通覆面となれば極めてレアな存在だ。すなわちマニアが熱心に追っかける『県費購入のご当地覆面』というわけ。

パトカーの県費購入と国費購入とは?

こちらもご当地覆面のトヨタ マークII。

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しかも、捜査/交通覆面パトカーでは有料色となる『白色』は避けられてきた傾向にあるなか(現在はキザシやアスリートで法則が崩れている)で、本車は『クリスタルホワイトパール』という極めて目立つ存在だ。

https://minkara.carview.co.jp/userid/1491562/blog/34879768/

上記ブログ様によれば、香川県警ではJ31ティアナ350JKの後継として導入され、複数台が配備されたとのことである。なお、V36覆面の後継がV37覆面である。

https://twitter.com/nishi_HP10/status/1344585826835943424

さて、本出品車両ではダッシュボードの上に設置されていたストップメーターをとりはずした痕跡が生々しい。ほかにもセンターコンソールにはサイレンアンプが設置されていたのであろうか、こちらも撤去済みでポッカリと穴が開き、配線が剥き出し状態であることが確認できる。

一方、交通用覆面パトカーと言えば、ルーフ中央の反転式赤色灯だが、しっかりとモッコリが設置されており、雨水を逃すためのドレンパイプも確認できる。

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また、トランク内部にも市販のV36にはない装備が。鍵のついた金属製の車検証ケースだ。

ほかにもセパレートタイプの警察無機線の本体側を固定するためのブラケットと見られる部品もそのまま残り、警察車両を示す可能性が高そうだ。

以上のように、内部に施された各種装備品の艤装状況を検証すると、この出品車両が本物の元・覆面パトカーである可能性が極めて高い(この言い方は”本物”として出品されている出品者に対して失礼な言い方ではあるが)。

なお、走行距離は263,900kmとのことで、この距離をほとんど無傷の状態で乗り続けてきた運用者の運転技術の高さ、そして愛車精神(!?)には誰もが敬服しそうだ。

また、この出品物について真贋を問う質問が多く来たためか、出品者はうんざりした様子で以下のように商品説明を行なっている。

サイレンアンプ、無線、赤色灯など付属品は外されています
「本当に本物か?」という質問はスルーさせていただきます

偽物やレプリカや劇用車と違い、「本物」にしか出せないオーラがあります
毎朝の点検、定期的な手厚い車検の恩恵で調子は良好です

自家用車で大事に乗られてきたKV36後期スカイラインと違い
激務に伴う傷や凹みタッチペン跡、内装の傷汚れ破れなどありますが
それらも含め、「本物だ」と御理解いただける方のみ入札してください

引用元 当該出品物ページ https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/h1031059502

また出品者の説明によれば、現在この車両は『緊急自動車として登録されているが、前面および反転式赤色灯などの装備を外してあるので普通乗用車として登録が可能』とのことだ。

上記の『ここが面白い!香川県警』tweetに『外部アンテナレス覆面が多い』を追記したい筆者であった。

いずれにせよ、どのような経緯で警察車両が乗用車として再利用できる形で警察から廃棄されたのか不明だが、警察車両が再利用できる形での放出といえば、先日記事にした遺体搬送車の例もあるので、警察本部ごとに方針の違いがあるのだろう。

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なお、すでにこの『元本物交通覆面パトカー』は落札されており、新たなオーナーの元に渡った形となっている。そのため、本記事は同出品物の広告ではないことを明記する。

追記 2023年4月5日現在、別の『元・本物覆面パトカー(捜査仕様)』個体が出品されている様子だ。

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