目次
かなり以前から話題になっている“【世界初公開】日本一強い覆面パトカー 警視庁ハマーH2【日本最強S●T】 The Strongest Japanese Unmarked Police Car HUMMER H2″という動画。
このハマーが本物の警察車両である疑いは濃厚なるも、今なおコメント欄では本物vsモドキのアツい論争が続いているようで、決着はつかない様子だ。
ハマー(HUMMER)といえば、米軍の汎用車両ハンヴィーがベースの民生向け車両。だが、それはあくまで先代のH1。H2はシボレー・タホをベースとしており、軍用車両の直接的な血を引いていない。
そして、ハマーの警察車両と言えば『踊る大走査線 THE MOVIE 2』に登場したSAT車両が懐かしい。
しかし、そちらはベースがH1であることから、もし、感化されたマニアがそれをイメージしてモドキをこしらえたとしても、H2ベースで作り上げる可能性は少ないのではないだろうか。
では、動画から読み取れるディティールから、”ハマーH2覆面”を検証していこう。
S●Tに配備される『日本一強い』覆面パトカー!?
東京都内を安全運転敢行で走る黒いハマーH2。その後ろを追う撮影者。動画投稿者であるUnmarked PoliceCar氏(なお、撮影者と投稿者であるUnmarked PoliceCar氏は別のようだ)の説明文によれば、以下のようにガンガンにハマー覆面の凄さを煽る。
『マニアにもほとんど存在が知られていない車』
『基本的にはS●Tの隊員が乗る車』
『ガチでヤバい事件が起きた時のみ表舞台に登場』
ガ、ガチでヤバイ事件で登場する車とは・・・・・・?
『ハマー覆面』は重大事件に臨場する車両か?
ガチでヤバい事件とは大規模なテロなど、まさに日本警察の最後の切り札たるSATが投入されるような重大事案と類推するが、判然としない。
動画投稿者であるUnmarked PoliceCar氏によれば、所属について刑事部のSITなのか警備部のSATなのか、敢えて断定を避けているようである。
なお、すでに全国の警察本部機動隊銃器対策部隊にはランドクルーザーをベースとし、防弾施工された小型遊撃車が配備されているのは知られているところだが、まさに頭おかしい人が街中をAK銃乱射して逃げ回るような重大事案では、このような防弾型警察車両が緊急投入される想定となっており、空港、重防対象施設などに機動隊の機能別部隊『銃対』隊員の展開手段として配置されている。
愛知県警察年頭視閲式より、銃器対策部隊によるテロリスト制圧訓練。
ランクル防弾車の現場進入〜制圧までの流れ。 pic.twitter.com/SmaaQFYKJ1— きㄘ一ず (@KiCheese) January 11, 2018
近年ではアニメ作品にも登場しており、悲惨である。
銃器対策の防弾200系ランクル、緊車ファンが見かける度にTwitterに写真上げるから、アニメに出るくらいメジャーになってもうたやん…(笑) pic.twitter.com/NPj1UxcVRA
— 暁 サワー (@AKATSUKI_sour) January 6, 2020
このハマーH2が本物の警察車両だったなら、やはり出動するのは小型遊撃車出動クラスの事件と類推できそうだ。
『ハマー覆面』の装備を検証しよう
では、この車両の装備を見ていこう。
まず、H2に警光灯の類は外部から確認できない。覆面パトカーだとしたら、着脱式または反転式赤色灯で、公開訓練や緊急走行でもない限り露出はさせないだろうから、これは仕方がない。
一方、ルーフには2本のアンテナを確認できる。ユーロアンテナではなく、オーソドックスなモービルホイップだ。
さらに以下の装備について詳しく検証したい。
検証箇所 その1 サイドステップ&ルーフキャリア
動画を見た限り、ハマーH2にはサイドステップが装着されている。サイドステップ自体は純正オプションとして存在するため、何もおかしくはないが、動画のモノはデザインよりも”実用性”を優先させた、いかにも足をかけやすいフラットな形状になっている点がそれっぽい。
となれば、それと対になることが多いのが車両上部の”手すり”だ。こちらもきちんと設置されている。一見、ルーフキャリア風だが、なんだか本来の形より、いかにもアルミパイプを無骨に組んだ形状になっており、怪しすぎる。
2003年公開のアメリカ合衆国のアクション映画『S.W.A.T』に出ていたChevrolet Suburbanを覚えているだろうか。上述のH2のワクワク装備はまさにあのシーンを頭の中で妄想させる。
当然、警察での運用ともなれば、特殊部隊員らが車体サイドの上部の手すりに手をかけつつ、サイドステップに足をかけて”特殊部隊乗り”をしながら対象建造物などに急襲をかけるために使用されるはずだ。欧米の警察や法執行機関では普遍的に見られる装備品なのだ。日本では多くの警察本部にエスコート用警護車として防弾化されたシボレーエクスプレスが配備されているが、参照サイト様によれば、北海道警察など一部では刑事部のSIT車両としても運用されているようで、やはりサイドステップと手すりが装備されている点に注目したい。
検証箇所 その2 『gun-port(銃眼)』
なにやら物騒なモノが後部ウインドウに設置されているのがわかる。動画投稿者であるUnmarked PoliceCar氏の説明文によれば、これはいわゆるgun-port(銃眼)とのことだ。
上述の特殊な用途に使用されるシボレーエクスプレスにも、サイドウインドウに同様の小窓が付いていることから、これも判定ポイントとして加点しても良さそうだ。
検証箇所 その3 『追従車両』
さらに動画の説明欄には、このハマーH2だけで同車両が警察車両か否かを判定してほしくはないという思惑を感じさせる一文がある。H2に追従する後続車両にも言及されているのだ。
実際、このハマーH2にぴったりと追走する後続車両は、これまた怪しいハイエース。撮影者はこの車両にも注目する。
同ハイエースが8ナンバーなのはともかく、ルーフキャリア後部にPATLITE社製LED補助警告灯『LAS-M1』を備えている事実をどう見るべきか。
LAS-M1は緊急車両の車両前方または後方に設置されることが多い補助警光灯だ。ただ、LAS-M1には赤色のほか、黄色、青色もそれぞれ存在するため、消灯状態では判定が難しい。
また、さらに後部側面にはパトカーで主流のメタルコンセントが設置されている。警察車両特有の装備を備えたこのハイエースが追走していたのは単なる偶然か、それともハイエースもまたモドキなのか・・・・・・?
追記 事件現場への覆面ハマー臨場が報道され、ついに決着!
以上、各種判定ポイントをかいつまんで検証を行ったが、いろいろな可能性は排除しきれないため、当サイトでは真偽の断定は棚上げとさせていただいた(なんか偉そうだな・・・)が、2022年、埼玉県内で発生した人質立てこもり事件にて、この”黒いハマーH2”が実際に配備されている警察車両であることの裏付けがほぼ取れたので追記したい。
2022年1月、埼玉県ふじみ野市で発生した猟銃人質立てこもり事件にて特殊部隊の車両として臨場していたことがテレビ画面から確認できたのだ。ルーフに着脱式赤色灯が装着されており、覆面仕様のハマーであることが確認できる。配備先は警視庁または埼玉県警銃器対策部隊RATSと見られているが、動画のとおり品川ナンバーであることや、埼玉県警の同種車両がランクルやシボレーエクスプレスであること、また予算の面からも(!?)警視庁の所属との見方が多数だ。
また、コアなマニアは本車両の所属先とみられる警察施設が写ったグーグルアースの衛星画像から検証し、実際の配備を確認していたとのことだ。す、すげえ・・・。
【世界初公開】日本一強い覆面パトカー 警視庁ハマーH2【日本最強S●T】 The Strongest Japanese Unmarked Police Car HUMMER H2″
バナー画像の出典 “【世界初公開】日本一強い覆面パトカー 警視庁ハマーH2【日本最強S●T】 The Strongest Japanese Unmarked Police Car HUMMER H2″という動画。