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画像の出典 『初対面の女子と車でディズニー行ったら気まずすぎたわwwwww』
フォロワー400万人の人気ユーチューバー『ジュキヤ』氏が女性アイドルとのドライブ中、白バイに交通違反で摘発を受けた動画を自身のYoutubeチャンネル『ジュキぱっぱ』にアップしたところ、動画内でジュキヤ氏が発した“ある発言”が波紋を呼び、炎上している。その発言とは…。
※追記 なお、2024年5月14日、『ジュキヤ』氏のYoutubeチャンネル『ジュキぱっぱ』は児童に対して性的でひわいな発言をしたある動画が問題視され、YOUTUBE運営側によるアカウント削除措置が行われたため、 『初対面の女子と車でディズニー行ったら気まずすぎたわwwwww』の動画は視聴することはできない。
ことの発端とジュキヤ氏が交通違反で摘発を受けるまで
今回の企画は「初対面の女子と車でディズニーへ行く」というもの。その女子とはアイドルで「LinQ」のメンバー『金子みゆ』。車は高級スポーツカーだ。
しかし、楽しいドライブも束の間だった。突然鳴り響く白バイのサイレン音。ジュキヤ氏が運転する車は後方から追尾され、測定の上で違反が認められたため、停止命令を受けたようだ。まさか自分が?と戸惑いつつも、「うんこしたくて…って言ったら許してもらえるかな?」というような発言もしていることから、この時点ではまだ余裕だったようだ。ところが切符を切られ、車に戻ってきたジュキヤ氏はしょんぼり気味だ。かなりの速度違反だったのだろうか?
そして、彼の口からはこんな言葉が出た。白バイ隊員からジュキヤ氏が、まるで忖度を受けたかのようなことを仄めかしているのだ。その発言は以下の内容である。
『本当なら一発免停だったって・・・』
『とめておきましたよ・・・って』
ジュキヤ氏の上記の発言を額面通りに受け取るならば、この白バイ隊員は白バイに搭載された違反車両の速度を計測するための『ストップメーター』の作動をジュキヤ氏が免停になる速度の範囲外で『意図的に止めた』と読み取れてしまうのだが……。仮にそうだとして、警察官がそんなことをする意図は?
ジュキヤ氏への交通取り締まりで本当にこんなことが行われたのだろうか?白バイ隊員のこの”配慮”には助手席に同乗のアイドル・金子みゆも思わず優しいと評価するのだが……。
ジュキヤ氏のファンからは交通違反すらもネタにするジュキヤ氏を称賛する声が挙がる一方で、ファン以外の人々、とくにYouTuberに批判的な人々からは手厳しい声が相次いだようだ。
話に夢中でメーター見ずに運転してスピード違反で捕まる
こういうの世に出して恥ずかしいと思えないのが本当に社不
YouTuberに常識がないことがよく分かる動画 pic.twitter.com/Ek6K0uD8Wv— インフルエンサー紹介BOT (@modelkidori) October 5, 2022
ジュキヤ氏が運転中に同乗者との話に夢中で速度超過を気にしないことや、そもそも違反で捕まった動画をわざわざアップしてネタにすることが道徳に背くとの指摘だ。
白バイ隊員がジュキヤ氏に赤キップを切らなかった2つの理由
ともかく、何のために白バイ隊員がジュキヤ氏の交通違反に便宜を図ったのか不明だ。
だが、一部では”彼のための便宜”ではなく、警察官ならびに警察組織に利のある行為で「当たり前のこと」との指摘もある。具体的にどういう理由があったのか、以下に推察してみよう。
理由その1、『(警察官の)赤キップの手続きが単に面倒だから』
念のため、赤キップ、それに青キップについておさらいしよう。通常、交通違反もレッキとした犯罪ではあるものの、軽微な違反については『交通反則通告制度』の対象となり、反則金を任意で納付することで裁判、刑事手続き、罰金等が免除されている。
交通反則通告制度
交通反則通告制度は、運転者が反則行為(比較的軽微な道路交通法違反行為)をした場合、一定期間内に反則金を納めると、刑事裁判や家庭裁判所の審判を受けないで事件が処理されるという制度です。
出典 警視庁公式サイト https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/torishimari/tetsuzuki/tsukoku.html
警視庁によれば、具体的に『軽微な違反』とは、駐停車違反や信号無視、一時停止違反、それに30km/h未満の速度超過などとなっている。
だが、一般道で30km/h以上(高速では40km/h以上)の速度超過、それに無免許運転、酒気帯びなど、“悪質な交通違反”については上述の『交通反則通告制度』の対象外。
『道路交通法違反事件迅速処理のための共用書式』が使用され、一般の刑事事件扱いと同じ手続きで裁かれ、裁判の結果、罪が認められれば、反則金ではなく罰金または懲役刑が下される。こちらも同書式の紙の色から、いわゆる『赤キップ』と呼ばれる。
軽微な交通違反で科される『反則金』と、悪質な交通違反で科される『罰金』や『科料』は明確に区別され、非常に重い刑罰であり、当然前科もつくことにも留意が必要だ。
※過料と科料は異なる。
それゆえ、切符を切った警察官の業務が煩雑化するというわけだ。言い換えれば、それだけ悪質な交通違反をジュキヤ氏は”本当なら”犯したことになるのだが……。
理由その2、『警察官は“罰金は国、反則金は都道府県警察に入る”ことを知っているから“軽微な違反”にした』
さらに実は、もう一つの“カラクリ”を指摘する声もある。
交通違反に限らず『罰金』はすべて国庫に入り、地方自治体に交付されない。ところが、交通反則通告制度すなわち青キップによって徴収された『反則金』は国庫に一旦入ったのち、最終的に地方自治体(都道府県ならびに市区町村)へ『交通安全対策特別交付金』として交付される。その交付金は各都道府県の公安委員会や道路管理者に配分され、信号機の新設、道路標識・道路標示の新設・補修などに使用されるという。
このため、警察官は自分たちの所属する自治体へ交付させるため、明らかに免停相当の違反でも、できるだけ赤キップを切らずに青キップにとどめて営業に勤しむのは当たり前との現職警察官の声もある(ただ、元・国家公安委員長の河野太郎氏によれば『警察官の人件費には使われていない』とのことだが)。
事実なら、この白バイ隊員の行いがことさら奇妙なことではないとも言えそうだ。
メルマガ『ジャンクハンター吉田の疑問だらけの道路交通法』の著者・吉田武氏が、現職の交通機動隊員に生の声を聞く人気シリーズより、以下に抜粋した。
Sさん「吉田の友人らの検挙例を察しても分かるとおり、白バイ隊員も赤キップを切ると書類作成などに追われたりもあるほか、国庫に罰金として納められてしまうことを理解しているから敢えて30kmオーバーにしなかったりするわけなんだよ。ギリギリ青キップで検挙するやり方は俺ら警官の間では当たり前の実態だったりする」
この“ギリギリ青キップ”はいわゆる『寸止め検挙』と警察官が部内で呼んでいるもの。
寸止め検挙は交通機動隊以外に、所轄署員による取り締まりでも行われているというのだが、まさに今回のジュキヤ氏が白バイ隊員から受けた『本当なら……』とは、この寸止め検挙そのものではないか。
まとめ
というわけで、図らずもジュキヤ氏本人の意図とは別に、警察官が普段から交通違反取締りでこのような『温情』を違反者にかけている実態をサブアカウント含め総計400万人のフォロワーを持つ有名ユーチューバーのジュキヤ氏(2024年アカウント剥奪)が図らずも“告発系YouTuber”のごとくサラッと公にして物議を醸しているのが今回の炎上事案である。
単に現場警察官に任せられた個人の裁量と言えばそれまでだが『違反者を慮る人情のある警察官』だと勘違いしていた人々はどのような想いで今回の記事をお読みいただいただろう。『人情のある警察官』に日本人はとかく夢見がちだ。しかし、そんなものはどこにもいないのが現実。
当然『寸止め検挙』には納得できない人も多い。『本当なら、じゃねえよ免停にしろよ』との声や『これで事故起きて誰か亡くなったらこの警察官のせい』と『寸止め検挙』を行った白バイ隊員を非難する指摘もある。さらに『“本当なら”とは、この取り締まりがウソであるということを白バイ隊員が暗に認めているということでは』という内容の指摘もあった。
ただ、速度違反の摘発を受けた後のジュキヤ氏は「スピード出せないんだけど。さっきからずっとゆっくりで走ってる・・・』と一言。
安全運転意識が高まったのか、結果的に自制心を取り戻せた、というところか。それはそれで警察の交通取り締まり活動が本来通り機能し、ドライバーを良い方向へ向かわせたと言えるのかもしれない。
なお、今回の違反でジュキヤ氏が収めた反則金は18000円。また、この件はスポニチで報道されているが、当のジュキヤ氏はその報道に対し、インスタグラムのストーリーズで『そんなの載せるな』とお気持ちを表明している。
登録者数400万人ユーチューバー、動画撮影中にスピード違反で捕まる 警察「本当なら一発免停」
出典 https://news.yahoo.co.jp/articles/372a73b272402bed74383470369e9e8f6102940c
上記のスポニチの記事内には、動画を見た人たちの様々な声が紹介されているのだが、その中には『これ載せて交通機動隊は大丈夫?』とのコメントもあった。
上記の青キップと赤キップのカラクリが公になることを危ぶむ声か、はたまた警察の不祥事発覚とする声なのか。
いずれにせよ、寸止めされる前に安全運転でドライブを楽しんでほしいものだが。