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『マニア』と一言で言っても、あっち側に行っちゃった犯罪者と、そうではない人がいる。今回の話題はあっち側に行っちゃった犯罪者による卑劣な犯罪行為である。
偽の警察手帳に制服、けん銃らしきモノ……。警察官との結婚を餌に、各種警察グッズを使って婚約者の女性を言葉巧みに信じ込ませ、実に4年にも渡って金を騙し取った大阪在住のトラック運転手のA男(36歳)が逮捕された。
ところが、A男が金の詐取のために用意したこれらの”警察グッズ”、驚くことに一部報道では捜査関係者の話として、一部本物である可能性も捨てきれないというのである。
A男の手口、偽りだらけの経歴など、衝撃的な報道内容は週刊文春から引いている。
https://bunshun.jp/denshiban/articles/b5598
3月31日 続報あり
一度報じられて消されて封じられた
実は今回のニュースで見逃せない経緯がある。3月29日以前の同月25日頃に一度、Yahooニュースで報じられたにもかかわらず、それらを報じた記事などが一斉に消えてしまったのだ。
筆者がこのネタを記事にしようと、冷ややかな目で笑いを堪えつつの記事の下書き執筆の最中のことである。『まさかの誤報か?』と思いながら本日30日のネットニュースを見てびっくり。『これ、先日一回報じられてすぐ跡形もなく一斉に消された自称・大阪府警のおっさんの事件やんけ!』と驚き、まさかの再会に咽び泣く。
しかし、一旦はもみ消されながら何故戻ってきたのか?これは何らかの事態を予感させるモノなのだろうか?
事件の概要と偽りの身分
大阪に住む36歳のトラック運転手のA男が婚約者の女性から190万円(195万円との報道も)を騙し取ったとして大阪府警は詐欺の容疑で逮捕した。A男は4年にもわたり、府警公安部に出向中のキャリア警察官という偽りの身分を騙っていたのだ____。
A男が得意げに被害者女性に誇示したモノは、A男自身の氏名と”警視正”の階級が入った偽の警察手帳____。
さらにはなんと制服姿で飲食店らしき店内で寛ぐ写真、極め付けは民家っぽい処で制服にエプロンでお料理中の写真。
実に楽しそうだが、現職がこんなことをするか筆者は知る由がない……。
これにはSNSでも『ハム(公安)は家族とも写真撮らないだろ』など、痛烈なツッコミが多いようだ。A男はこれらの写真をLINEで被害女性に送りつけながら『自分は警察庁本省のキャリア官僚で、現在は大阪府警警備部に出向中の公安警察官だ』などと偽っていたそうであるから笑えない____。
それだけでもご大層な大嘘なのだが、A男はさらに自分の階級を警視正と偽っていたのだから、驚くほかない。A男の年齢は36歳。これが東大出身のキャリアであるなら警視正という高位の階級であってもおかしくはないだろうが、数学とディベートが大得意な一握りのエリート。制服姿で自炊料理に勤しむポンコツ警視正などいるのか?キャリアはあなたが思うより健康志向です、だそうです。うっせえわ(笑)
極めつけは、日本の民間人は所持が許されることのない、警察の人のシンボルとも言える例のモノらしきモノの写真を見せて己を誇示するA男。自分は特別なんだと他人から思われたい。いわゆる承認欲求。Twitterを見てみよう。今日もクソ生意気なZ坊アニメアイコンがしたり顔でクールに世事を切り捨てるの見て、思わずパソコン画面パンチ。ああ、打ってないのに心臓ドキドキが止まらない。画像に写るものはカールコードをつなげた市販のトイガン『P230JP』らしきもののようだが、グリップのチェッカリングは垢が溜まっているのか単に白く劣化しているのか、なんか使い込まれてて臭そうで汚ねぇなー。警察マニアニキのP230JPエアガンだいたいニギニギされまくってグリップがニキの塩吹いてる説。好きだなその説。知らんけど汚ならしぇ。
上記のニュース画像に写るのは偽の警察手帳と手動式安全装置の追加された日本警察独自仕様のP230、いわゆる『P230JP』。買った直後か?『銃口をのぞいてはいけません。人や動物を撃ってはいけません。ふるさと納税は山梨県甲斐市』の赤いシールは剥がしたようだ。そんなシールないから(笑)これでまた日本警察独自仕様のP230の日本国内での評価が懸念されかねないSIG社。筆者の大好きなアームズマガジンでは『日本警察独自仕様のP230採用は不適切!厚生労働省のM85Fのほうがずっといい!』って言っていたよ。当サイトとしては決して日本警察独自仕様のP230をディスる気は毛頭ないです。日本警察独自仕様のP230がかわいそうで仕方がない。こっちの記事。
『不具合を確認するためホルスターから銃を抜いた際に誤射』……北電泊発電所警備中の機動隊員が誤射した『自動式けん銃』とは?
いずれにせよ、A男の言葉巧みな嘘とこれら制服や装備品等”らしきもの”の写真を見せられた女性は疑いつつも『本物』と信じ込んでいたようだ。
キャリア官僚を自称する割にはケチくさい男だっ
『警察 結婚 詐欺』でTwitterを軽く漁るだけで、A男と関わってしまった女性たちの思い出話が出てくる。
https://twitter.com/Taechin15/status/1641451972065886225
誕生日に彼女からプレゼントされたプレステ3を売ってしまうA男・・・。売った金でP230JPを買ったのだろうか?
https://twitter.com/10vexoxo/status/1641457021844332544
こちらはキャリア官僚を自称する割にはケチくさい男だったという回想。さらにこちらは『小学生時代から家族ぐるみでの知り合い』だったそうで、あまりのエグさに絶句している様子だ。
小学校から家族ぐるみでの知り合いやしほんまにえぐい~
数年前再会した時私にも警察って嘘ついてたわw
地元ももろ大阪やし…
警察キャリア官僚かたり“結婚詐欺” トラック運転手の男逮捕 ニセの警察手帳や制服で… 被害女性が手口を語る(日テレNEWS)#Yahooニュースhttps://t.co/gVT2m7xyU6— yu (@yu42391522) March 30, 2023
いろんな人がA男の嘘に巻き込まれた形だ。
草野球仲間にも警察官を自称か
どうやらA男が騙していたのは警察官との甘い結婚を餌に金を無心していた女性たちだけではないようだ。なんと自分の妻、周囲の人まで騙していたというのだから呆れるほかない。
また、A男が所属していた草野球のチームのメンバーにも同様に偽っていたのだ。彼らの証言によれば、A男はインターポールへの出向を匂わせた上で『まあ、銭形みたいなもんやな』と言うたり、あろうことか安倍首相の銃撃事件で、その遺体の司法解剖に立ち会ったとか、自分が結婚したら、岸田総理から電報が来るなど言うたりして次々に嘘は止まらなかった様子やで。野球のメンバーは『嘘がデカすぎて疑えなかった』とのことだ。銭形の時点で疑いたい。
A男のついたデカすぎる大嘘一覧
今回の事件でA男がついた嘘は主に以下である。
- 大阪府警警備部公安外事に出向中のキャリア警察官僚
- 『今はインターポール』『銭形みたいなもんや』
- 安倍元首相の遺体の司法解剖に立ち会った
- G20大阪サミットの警備を指揮した
- 自分が結婚したら岸田首相から電報が来る
- 銀座で警察庁長官とごはん
- 金の無心のための演技にかかる数々の大嘘
息を吐くように嘘を吐くとはこのことか。過去に起きた同種の『警察官騙り事件』では、自分の車を覆面パトカーもどきに改造する者もいたが、さすがにA男が自分の車を覆面や警護車もどきにしていたという報道は出ていない。
A男が被害女性から190万円を騙し取った手口
前述のように、A男は自身の身分を大阪府警に出向中のキャリア警察官僚を騙りながら女性と交際。そしてある時、女性が海外で巻き込まれたトラブルについて、A男に相談していたようだ。A男は女性を助けるという名目で私的に捜査員を派遣すると申し出るが、これが上層部にバレて停職処分となり、金が必要になったのでお金を振り込んでほしいという、でっち上げのストーリーを演出したほか、(女性の)家族が警察の身辺調査に引っかかったので裏工作が必要と言って50万円を要求、同僚からの借金返済名目などで計280万円あまりを騙し取ったという。このうち大阪府警では裏付けの取れた190万円を被害額として算定したようだ。
被害者の女性は『自分が彼を支えなくてはという気持ちになってしまった』と振り返っている。国際ロマンス詐欺みたいな感じだろうか。
ちなみに、被害女性とA男はマッチングアプリで出会ったそう。マッチングアプリとは昔の『出会い系サイト』をスマホアプリにしたようなモノですが、身分証の提示が必要など健全です。『出会い系サイト』を巡っては2018年、当時の新潟県知事だった米山隆一とかゆう人物が出会い系サイトで知り合った大学生の女性2人と金銭を伴った男女関係にあったと週刊文春2018年4月26日号が報じ、同氏は強い社会的批判を浴びて辞職しています。文春砲ってすごいなあ。神奈川の黒岩のエ口メ晒しもここだしよ。
警察グッズの一部は本物の可能性もあり・・さらにおどろくべき事実が!
フジテレビのFNNオンラインプライムでは『容疑者が着ていた制服が本物なのかも含めて詳しい経緯を捜査中』とだけ報じている。
ほ、本物の警察グッズ・・!?拗らせた者の中には警察の装備品を盗んでしまう例もあるというのだが……!?
まさに今回もそうなのか?A男が被害女性に送った画像の中で着用していた『制服』は極めて本物に似た作りになっており、上着のシャツ右肩部分には『大阪(府警)』の名称が入った徽章がついたものだった。
ところが、この”制服”。マニア向けのニセモノと現時点で断定はできないようだ。”本物なのか捜査中”だというのだ。いや、いくらなんでそんなことが・・!?
しかし、一方の週刊文春の報道によれば、なんとA男の親族に”本物の警察官”がいるのだというから信憑性は一気に増す。その親族の所属が、この男が偽った大阪府警かは不明だが、この意外な事実には単なる結婚詐欺事件で終わらない予感を秘めているようだ。そして、親族が警察官という事実と直接的につながっているかは不明だが、さらに週刊文春は衝撃的な事実を報じている。
「実は彼の親類には警察官がいる。全てがマニア用の警察グッズとは限らず、一部本物の可能性もある。慎重に調べています」
引用元 「週刊文春」編集部/週刊文春 2023年4月6日号
A男が詐欺のために用意したこれらの警察グッズ。どうもすべてが『マニア用』と断じるのは、現時点では尚早のようだ。
報道によれば、A男が被害女性に見せていた例の警察手帳は偽物であるとのことだが、捜査関係者の話として、A男が見せびらかしていた”警察グッズ”は一部本物の可能性があるというのだ。ただ、具体的にどれが警察の本物の装備品の可能性があるかは不明。
とは言え、グリップがなんか汚いP230らしきものは、さすがに合法な市販のトイガン『P230JP』であると思いたいが‥‥。いずれにしても、まさかの可能性も捨て切れないのである。
続報 A男は『親族の現職警察官』から『本物の制服』を盗んで着ていた!
上記の通り、この事件をめぐる週刊文春の報道には見逃せない一文があり、筆者はマニアの一人として生暖かく見守っていたが、31日、事態は驚愕の展開を見せた。
なんと詐欺の容疑で逮捕されたA男が親族の大阪府警の現職警察官から本物の制服を盗み、なおかつ着ていた疑いで再逮捕されたというのだ。
つまり、先の詐欺事件において被害者の女性を騙しつける演出でA男が着用していた『大阪(府警)』の徽章がついた制服らしきものは、真性の警察官用制服だったのだ。
制服が盗まれたのは4年前か
親族とはA男の父親なのか、兄弟なのか、叔父なのか、甥なのか現時点では報道で明らかにされていないが、捜査当局によればA男は『女性と出会った4年前から盗んだ制服を着ていた疑いがある』として捜査しているという。
警察官の制服が盗まれる・・・それは組織として大きな不祥事となるが、大阪府警が当時報道発表したか現時点で筆者にはわからない。
また、盗まれた親族の現職警察官とA男の間でこんなやりとりはなかったのだろうか。場面はある日、親族で集まったバーベキューパーティの後片付けでの会話と仮定しよう。
『あんな、A男ちゃん。怒らないで聞いてくれへん?警察の制服とか持っとらんよね?』
『なんやねん、やぶからぼうやないか。持っとるわけあらへんがな!』
『実はなA男ちゃん。警察の制服みたいなん着てな、女騙してる男おってな、今、府警で捜査してんのや』
『なんでワシやねん。そんな暇人ちゃうわほんま(笑)』
『ねえ、A男ちゃん。実はワシの制服一式な、家からなくなってんねん・・。A男ちゃん、ウチ遊びに来たときあったやん。あんときな・・・』
『ワシ、知らへんて。盗ってへんがな。道頓堀放り込んだろかぼけえ!』
『A男ちゃん、今なら間に合うよって、そっと返してくれへん?ワシが物置で見つけたゆうたら丸く収まんのや。返せば済むんや・・・』
『ないもんどうやって返すんや。そないに疑うんやったらガサでもなんでもせんかいいてまうぞぼけえ!』
『・・・そないなことになったら、ほんまにA男ちゃんパクられるで。ワイも府警を依願退職せなあかんようなるわ』
ねえよ(笑)脳内で『じゃりんこチエ』のテツとミツルで再生されたやつ(笑)
いずれにせよ、もうお分かりだろう。一度報じられたこの事件が、さっと消えてしまった理由を。
ただ『ホンモノ』とされていたものが制服だけで済んだのはまだマシだったのかもしれない。あの『P230JP』が”ホンモノ”の『P230』でなかったのは不幸中の幸い!?
しかし、まだまだ何が出てくるかわからんぜよ。
大阪の偽警察官のまとめ
今、日本の警察官は全国47都道府県警察本部ならびに警察庁本省のキャリア警察官僚をあわせ、およそ29万人いるという。では、その家族、親族は何百万人いるのだろうか?その親族のうち、なんらかの潜在的な警察不祥事を引き起こす可能性を秘めたA男のような者は何十万人いるだろうか?警察官の採用にあたっては身辺調査が行われ、警察当局と敵対するような団体の構成員や左翼活動家の親族、また重大な犯歴のある親族がいた場合は採用に深刻な影響があるというが、筆者にその知見はない。
いずれにせよ、間抜けななりきり警察マニアが偽の制服を着て結婚詐欺という、いつものほっこり系ニュースかと思われたものが、親族の現職警察官から本物の制服を盗み、それを着てP230JPのトイガンを弄んでいた結婚詐欺師・・という信じ難い前代未聞の警察不祥事へと発展してしまったのが今回の事件の顛末だ。
『本物の警察官の制服を着た詐欺師』
もう何を信じればいいのか・・。そんな声も聞こえてきそうだが。
A男が被害女性に送ったLINEには「市民に寄り添う警察官になりたい」「守りたいものを守る時に、手段は選ばん」など、思わず歯の浮く台詞の数々が痛々しい・・・。絶対に本物が市民の前で言わなそうなことを臆面もなく口にするところは、本当に”なり切っていた”のだろうなとデュフフッと卑下た笑いを浮かべてしまうが、へたに親族に警察官がいたことでコンプレックスが増大した線はないのだろうか。A男の動機は金か、それとも承認欲求か?画面パンチ。それを解明するための捜査は続いている。
一方、SNSなどではA男に4年も騙されていた被害者の落ち度を責めるような書き込みもあった。しかし、言うまでもなく悪いのは騙した加害者のA男側。
ただ、周りにまともな警察マニアがいなかったことが悔やまれる。『ねえ、ヨシコ!こいつ絶対ニセモノだよ!36歳の警視正がマッチングアプリとか制服でお料理とかありえないって!ラ○マで偽警察手帳は出品できないようにアタシがしつこく通報してやったけど他のとこだと普通に買えるし!この銃だって絶対エアガンだって!ほら、楽天にP230JP売ってるし!これカールコード装着できるように改修したいわゆる日本警察仕様を再現してるの!ちなみに本物を”P230JP”とかいうやつは素人だから!それSIG社の正式名称じゃなくてトイガンの商品名だから!ザギンで警察庁長官との昼食でこんなしめじのすまし汁みたいの絶対食べないって!目を覚まして、ヨシコ!わかんねぇことあったら聞こうよ!ねえ!ガキじゃねえんだからさ!』みたいに言ってくれるのがいなかったのか。警察マニアなんかいても役に立たねえし、P230の説明のクダリが本当に粘着的で臭そうでしつこいなお前(笑)そんなんだからZに煽られるんだぞ(笑)
いずれにせよ、貴重な人生のうち4年も騙されていた女性には同情を禁じ得ない。女性がリアル大阪府警の警察官と結婚できるよう願わずにはいられない。いや、現職警察官だとしても、こんなトラブルメーカーの親族がいる可能性を考えたら、もう警察官との結婚を夢見るのは懲り懲りだったりして!?