お伝えしているとおり、現在ではすべての警察本部で配備されているPSDシステムとPSD形データ端末。つまり、警察官向けにリファインされた公用携帯電話だ。その効果的な運用方法は以下の記事で解説している。
そのPSDのなかでもテレビドラマでキーアイテムとして描かれ、一躍有名になったのが、警視庁の独自規格で同庁地域警察官に貸与されている「Pフォン」である。
警視庁ではビジネス用電話としても高機能で定評のあるシャープ製E05SHおよびE06SHが採用されていた。
スマートフォンタイプも配備。
警視庁では全国に先駆け、万世橋警察署と立川警察署において、KDDI向けの端末E05SHを使用した地域警察官専用のGPS付きPSD形データ端末100台をPフォンとして2010年から正式配備。
2011年11月、東大和市で女性を騙そうとした振り込め詐欺の容疑者を撮影した写真が地域警察官らの「Pフォン」に一斉に送信され、容疑者が逮捕されたことも報じられ、今や認知度ナンバーワンとも言えるPSDだ。2011年当時で5000台近くのPフォンが警視庁の地域警察官に配備されている。
一方、専務警察官である刑事に貸与されるPSD形データ端末はエヌ・ティ・ティDoCoMo提案の『ポリスモード』だ。
地域警察官向けの「Pフォン」と同じ運用だが、刑事も同種のPSD形データ端末を持つことで地域警察官と専務の連携が取りやすくなった。
制服の地域警察官と違い、現場で無線を使いにくい刑事にとって、携帯電話を装った実質的な『警察無線』であるPSD形データ端末は現場で重宝されるポリス・ガジェットと言えそうだ。
このように、現在では地域警察官の受令方式には受令機、無線機、そして警察官用携帯電話PSDの3つもの方法があるわけ。