2020年10月31日。北海道札幌市中央区でパトカーが盗難に遭ったとSNS上で話題になった。※タイトルバナーはSNSで拡散されている画像。
ツイッターには当時の模様がアップロードされているが『北海道警察』という実在する公的機関名が入った”パトカー”が狸小路を行く様子が。
パトカーの助手席にはどう見ても警察官ではない人物(ぴえん男)が乗っており、路上の人らに手を振っている。路上にはパトカーを指差し『おい、!おい!』と慌てた様子の制服姿の人物数名も。彼らは携帯型無線機のようなものも携行している。
すわ、パトカー盗難か。
この様子を撮影した動画がSNSで拡散されると、すぐに多くの人が反応した。
とりわけ、このパトカーがおかしいということに一部のマニアはすぐに気がついたようだ。
パトカーの年式が古いこと、ハードトップであること、さらに『ドラマで見たことがある』などを理由にホンモノとは疑わしいとの意見が優勢だ。
チャンネルはそのままに に出てた劇用車か?
劇用車の管理会社は運行経路や許可申請しているのか?
色々ツッコミどころはありますね。
そもそもこの代のクラウンでハードトップのパトカーはない。— ポリスウォッチャーHARUO (@xKqKaIYiT834gdo) October 31, 2020
そう、実はこのパトカー、盗まれたものではなく劇用車、つまりドラマで使用されるレプリカのパトカーであった。
どうやら道内を中心に活動しているパフォーマンス集団によるハロウィン仮装に乗じた、過激なパフォーマンスであったようだ。
なお、この騒動で使用された劇用車パトカーは札幌の株式会社ワークスロケーションクルーが所有しているものに極めて似ている。同社ではTV CM、ドラマ、映画のロケーションコーディネートから運送事業許可車輛(一般貸切旅客自動車・一般貨物自動車)の運行まで担っている。
なるほど、仮に同社の劇用車が今回の騒動で利用されたのであるとすれば『ドラマで見たことがある』という声が挙がるのも無理はないようだ。
北海道を舞台にしたHTBのテレビドラマ『チャンネルはそのまま!』に登場する劇用車に、今回の騒動のパトカーと雰囲気がそっくりだ。
そういえば似ているような気がしないでもない……!?
この劇用車パトカー、車体側面の『北海道警察』の文字が実際のパトカーのものとは配置が異なる。本物であれば車体左側面の『北海道』の文字はすべて前部ドアに収まるはずだ。
なお同社のサイトによれば、覆面パトカーの劇用車両も扱っているようだ。上述のパフォーマンス集団が同社からレンタルして今回のパフォーマンスを行った可能性はないのだろうか。
しかし、盗難ではなく、ほっと胸をなでおろしたのもつかの間。今回の騒動で偽パトカーとわかった人々は口々に『警察と書いてあるので犯罪だ』とか『これはアウトでしょ』などの声を挙げている。
おりしも、コロナウイルスによる社会混乱でハロウィンパーティーは自粛が要請され、東京でも例年にない縮小規模のなかでの騒動。このコロナによる社会混乱の中、劇用車のパトカーを走らせる道路使用許可を管轄の中央警察署から取るのは非常に難しかったのではないだろうか。まさか、無許可で走らせたのだろうか。
しかし、ソレは考えにくいのではないか。一般論では劇用車のレンタカー会社としては道路使用許可書類の有無を客から確認しなければ、トラブル防止のため、レンタルには難色を示しそうなものだが……。
もっとも、客から『私有地でのパーティで撮影に使いたい』と言えば、業者としても問題なく貸し出すはずだ。
となれば、客がウソを言って、業者を騙して借りた可能性も考えられるだろう。仮にそうであれば、こちらも法的にグレーとなりそうだ。
いずれにせよ現時点で詳細は判然とせず、今回のパフォーマンスを実施したと見られる北海道在住のパフォーマンス集団からは釈明などコメントは出ていない。
追記
11月2日、北海道内はもとより大手報道各社が一斉に報じ始めた。それによれば道警はこの劇用車を公道で走行させる許可は出していないという。このため道警では法律違反の可能性が高いとして捜査を開始したという。
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4116503.html
追記
12月15日、札幌市清田区在住の被疑者2名と同市北区にある会社法人が書類送検された。