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画像の出典 Yahooニュース
9月24日からの大雨による影響で大規模断水が起きた静岡県静岡市清水区。取水施設が損傷を受けたことで機能停止に陥り、6万世帯もの市民に水道水が供給できない事態となったのだ。このため、静岡市では給水車を手配し、住民に飲料水を配給することとなった。
ところが、その混乱の最中の24日、地元の人々とみられる複数の人々が『警察は給水に並んでいた人々の車に駐車違反の切符を切っていた』という内容のツイートを発し、物議を醸している。
しかし、このツイートに対して県警側では公式に否定したことでデマと認定され、波紋を呼んでいる。
いったい真実はどこにあるのか。これまでの流れを見ていこう。
『警察が駐禁違反の切符を切っていた』という『複数の目撃証言』・・・!?
発端はTwitterのポスト。『警察は給水に並んでいた人々の車に駐車違反の切符を切っていた』という内容のツイートが突如として投稿されたのだ。
警察による非情の所業は『三保の市民サービスセンターに設けられた給水所』で起きたとされている。だが、不思議なことに『県警が給水に並ぶ人々の車に駐禁切符を切っていた』とされるツイートをしていた人々の中に、実際に切符を切られている人々の写真が一枚も出てこないのだ。
真相は路駐切符を切っていたのではなく警告だった
どうやら真相は実際に切符を切ったのではなく、注意や警告をしていたに過ぎないようだ。
実際に現場を目撃したのは2枚めの人だけであとは伝言ゲームのように噂を広めているだけ
そして2枚めの人に直接確認してみたが、路駐切符を切っていたのではなく、「ここにいると違反になる」と警告されていたとのこと
貴方のツイートは懸命に災害対応に当たる現地警察の間違った印象を広めている pic.twitter.com/fFu6TccYli
— 新直轄警らNo.3💔💔 (@5ejwRThPHUqe4GT) September 24, 2022
しかし、騒動は収まることなく、とうとう公式に警察側が報道を通して声明を発表するに至ったようだ。
県警によれば「誤った認識による発信。切符を切った事実はない」とのこと。
県警は「誤った認識による発信。切符を切った事実はない」として、誤情報への対応に追われた。
出典 https://news.yahoo.co.jp/articles/2db68e03c713b47352529fb8d695a869b1713b29
警察署に苦情が100件!
実は先月25日の時点で『真に受けた方が警察に抗議して災害復旧に悪影響を及ぼしかねない』との懸念を発していたツイッターユーザーもいた。
どうやら本件、誤認と義憤から生じた風説らしいのですが、万が一このツイートを真に受けた方々からの抗議が清水警察署や静岡県警本部に殺到していた場合、確実に災害復旧に悪影響を及ぼすと思うんですが…https://t.co/DDujPwF9FJ
— かき揚げ饂飩 (@shiitakemeshika) September 25, 2022
残念ながらその心配は現実に起きていたようだ。結果的にこのデマツイートが発端となり、すでに静岡市清水区を管轄する県警清水署には今回の駐車禁止取り締まりに対して100件を超える電話での苦情が届いているとのことだ。
以下の報道によれば、この苦情電話により、清水警察署では通常の業務に支障をきたしてしまった。
「このウワサがたちまち広まって、“けしからん”“弱者いじめにもほどがある”などクレームの電話が100本以上ありました。取り締まりはしていないと釈明しても、“ウソをつくな!”と……。通常の業務に支障をきたすほどで、今も鳴り続けています」(清水署)
酷い話である。
大量拡散の原因は78万人のフォロワーを持つ超有名インフルエンサーか?
また、今回の件でもう一つ見逃せないことがある。”焚きつけた人物がいる”との批判が起きているのだ。
今回の断水時における県警の”駐禁取締り”をもっとも拡散したのは『滝沢ガレソ』というインフルエンサーのツイートで、現在まで13000件のリツイート、3万を超えるいいねがついている。
実質的にこの人物の言及によって今回の”デマ”がSNS上に広範囲に拡大した形だ。
【悲報】大雨により取水設備が被害を受け5万世帯以上で断水が発生中の静岡市清水区さん、「仕方なく給水所へ水を貰いに行った車に警察が駐禁切符を切っていた」との複数の目撃証言
静岡県警、目の付け所がシャープすぎる点数の稼ぎ方を考案か pic.twitter.com/Le1JYPOcjQ— 滝沢ガレソ⭐ (@takigare3) September 24, 2022
滝沢ガレソ @takigare3 が拡散してたやつか…
偽計業務妨害になるのかなhttps://t.co/D1cee9ak4j— ビンタロウ(はんぺんまる) (@haruhinata1105) September 30, 2022
滝沢ガレソ氏は、やや皮肉る形でツイートしたことで着火が成功した形だ。
伸びそうなので便乗
現在、滝沢ガレソというインフルエンサーが、静岡県警の警察官が給水待ちの車を路駐で違反切符切って点数を稼いでるなどという話を広めていますが、これはデマです。
デマ訂正にご協力ください。https://t.co/ZNzyrANlbZ
— 新直轄警らNo.3💔💔 (@5ejwRThPHUqe4GT) September 25, 2022
9月30日になり、警察側が正式に『駐禁取締りはしていない』との否定の声明を報道に発表したことで『デマ伝搬の原因』とか『悪質』などと滝沢ガレソ氏を批判する人々が多数出ており、叩かれる事態に。
「滝沢ガレソ」とかいうインフルエンサー、静岡豪雨で「給水所へ水を貰いに行った車が警察に駐禁切られた」という「デマ」伝播の原因を作って、災害対応で鬼多忙な警察に必要のないクレーム対応をさせて業務を妨害し、指摘にはガン無視を決めこんでんの悪質過ぎるでしょ。 pic.twitter.com/KkdcRPsrn4
— googlKenS (@googlKenS) October 2, 2022
災害時における風説の流布って最悪人が死ぬ。滝沢ガレソ氏はその辺を理解せずにバズりネタに食いつく軽挙さを自省すべきだし自分の影響力が社会にマイナスの影響を与えることも理解した方がいい。今回の清水区給水待ち車への駐禁切符ツイ、熊本地震の時のライオン脱走デマツイみたいなものです。
— シン・寝不足気味なヤライさん(19式昌子おばさん改善型試作その1)🐈 (@sasaraisan1) September 25, 2022
突如窮地に立たされた滝沢ガレソ氏だが、10月6日現在この件についてとくにコメントは発していない。
いずれにせよ、仮にも70万人のフォロワーを擁するSNS最前線のインフルエンサーが、自ら県警へ問い合わせてファクトチェックの上で発信しなかったのか。
だとしたら何故なのか。驚かざるを得ない。
『県警が給水に並ぶ人々の車に駐禁切符を切っていた』とのデマツイート拡散騒動のまとめ
報道による取材の結果、誰も切符を切られた現場を見た人もおらず、また”切られた人”がSNSにその写真を一枚も上げていないこと、極め付けは当事者の警察側が”完全否定”したことで、今回の騒動は明らかに”デマ”だったことが確定した。
つまり『県警が給水に並ぶ人々の車に駐禁切符を切っていた』という事実はなかったと結論づけられる。
災害時の流言飛語に惑わされる実例が、まさに今回の騒動だ。
なお『県警が給水に並ぶ人々の車に駐禁切符を切っていた』とされる内容のツイートをした人の一部はアカウントを削除してしまったようだ。
あらぬ誤解で100件もの苦情電話を受け、業務に支障が出てしまった清水署。
今回のデマ騒動、誰がどのように責任を取るのか、行末を静かに見守りたい。