全国の覆面パトカー用補助警光灯としてWHELEN製フラットライターが配備か?

これまで我が国の覆面パトカーの補助灯として広く配備されていた株式会社パトライト製のサンバイザー取付補助警光灯『フラットビーム(FB-12K)』が、2017年に受注停止となって久しい。後継品は今後、どうなるのだろうか。

覆面パトカーのサンバイザーにある補助警光灯「フラットビーム」とは?

念のため、フラットビームについておさらいをしておこう。

覆面パトカーの助手席側のバイザーに取りつけられた赤色ライト『フラットビーム』とは、横に18個並んだ赤いLEDランプが3段で配置され、1分間に150回の速さで点滅するパトライト社製補助警光灯だ。

ラジオライフ2002年2月号に拠れば、国費パトカーでは2000年度から配備が始まったとされるこのフラットビームだが、全国の警察本部で主に刑事部の捜査用覆面に搭載されているほか、民間では医師の乗る覆面パトカーのそっくり車両「緊急往診車」にも使用されている。

覆面パトカーそっくりの緊急車両大特集!

通常、フラットビームが取り付けられたバイザーは下面を向いて秘匿されており、車外からは見えにくいが、緊急走行時には電源を入れてバイザーを降ろし、前面に向けることでLEDの強力な点滅発光を以って、前走車や対向車に警告する。

フラットビームはルーフ上の赤色回転灯を補助するための「車内用警光灯」だが、臨場した事件現場の覆面によっては回転灯を載せず、フラビのみを点灯させている場合も見受けられる。また、フラビとサイレンのみで緊急走行をする覆面も目撃されている。

余談だが、同じく室内用補助警光灯としてはラジオライフ2014年9月号掲載の大井松田吾郎師匠のパトカー必撮指南塾にてフラットビームと並用して、車内のダッシュボード上に「白黒パトカーが付けている前面赤色警光灯」を一灯のみ取り付けて緊急走行時の補助(!?)警光灯として使う車両の写真が掲載されていた。

意外な使われ方として、北海道警察などではセドリック・レーダーパトカーの後部リアトレイ上にフラットビームを後ろ向きで設置するなどの運用も見られた。

実に20年にも渡り、全国の主に捜査用覆面パトカーに搭載されており、意外と息の長いパトカー装備品だ。

しかしながら、パトライト社ではすでにフラットビームの受注を停止しており、修理対応・補修パーツの販売期間も2024年3月までとしている。同社では『後継機種無し』としており、同種の補助警光灯の受注の動向がマニアの間で話題になっていた。

ただ、これまでも福岡県警察や滋賀県警察機動捜査隊など、一部の県警では米国製の同種補助警光灯を独自に配備している例も見られ、WHELEN製フラットライターが使用される例も見られた。だが、全体から見れば極少数配備のみで、全国配備にはいたらなかった。

しかし、ここへ来て、その後継は『フラットライター』となる可能性が高いかもしれない。

警察装備品の製造開発など、警察向けソリューション事業を行い、WHELEN製品の架装を行っている東海ルフト株式会社が公開している『覆面パトカー(210系クラウンアスリート)へ WHELEN製ダッシュライト取り付け 施工:東海ルフト株式会社』によれば、以下のように情報を発信している。

二次架装で補助灯としてWHELEN製ダッシュライトを取り付け致しました。
今後、全国の県警に配備されております覆面パトカーの一部車両へ取り付けが行われる予定です。

出典 東海ルフト株式会社公式チャンネル https://www.youtube.com/watch?v=aEMCtyq50mE

一部の覆面パトカーなど、警察車両への配備が進むと見られるWHELEN製ダッシュライトの画像。 画像の出典 東海ルフト株式会社公式ウェブサイト https://tokai-luft.jp/?page_id=930

東海ルフト株式会社様の公式チャンネルには他にも、白バイCB1300のLED赤色灯の様子も見られる。
https://www.youtube.com/channel/UCB7EQjACvOdLSnc_RtdCrog

記事のバナー画像は東海ルフト株式会社が公開している『覆面パトカー(210系クラウンアスリート)へ WHELEN製ダッシュライト取り付け 施工:東海ルフト株式会社』から引用したもの。