警視庁地域部地域総務課『遊撃特別警ら隊』は隊員も任務も特別だ!

パトカーを機動展開の手段として積極的に利用し、広域的なバンカケに強い自動車警ら隊だが、さらに神出鬼没、職質のプロ集団とも言えるのが、警視庁地域部地域総務課に2個中隊で編成されている遊撃特別警ら隊、通称『遊撃隊』だ。

遊撃特別警ら隊の任務

遊撃隊は治安の悪い繁華街を抱える警視庁第7方面の深川警察署に本部を置き、自動車警ら隊と同様、犯罪等の未然防止のための機動警らが任務だが、特徴的なのは選抜された隊員が職務質問のエキスパートであることだ。

職務質問で怒られるNG行動を解説

実際、遊撃隊の車長は警察庁指定『広域技能指導官』に任用されている者が多い。この広域技能指導官とは四十七都道府県の警察官のうち、特に警察官としての能力が高く被疑者の取り調べ、情報収集、分析さらにサイバー犯罪薬物銃器事犯の捜査、交通事故捜査、通信指令、交通規制などの分野において極めて卓越した技能を有している警察官のみが警察庁によって指定されている。

本来所属の警察本部のみならず、全国の警察本部へ巡回教養を行うために出向し、職務質問を実技指導するというまさに職務質問の鬼が『広域技能指導官』である。

その専門的技能の効果的な継承を目的としており、若手の警察官への指導も当然厳しくなる。

その活動は自動車警ら隊の機動的な警ら活動と同様、パトカーを積極的に利用して不審者に対する職務質問が彼らの任務となる。

人々が行き交う繁華街の中で、遊撃隊の職務質問の対象となるのは凶器を隠し持った者や、特殊詐欺の受け子、不法残留の外国人などだ。遊撃隊員は彼らの特有の目つき、そしてパトカーを見た瞬間の態度、また覚せい剤中毒者の特有の歩き方などに目星をつけるやいなや、即座にパトカー降りてばんかけを開始する。

このような地道な職務質問から犯罪の端緒が発覚することは言うまでもなく、些細な不審点を見逃さないのがまさに神出鬼没の職務質問のエキスパート、彼ら遊撃なのだ。

百発百中とは言い過ぎだが、彼らに疑いの目を向けられた者のほとんどは何らかの犯罪を犯しているということが多いようである。

また、警視庁では各方面本部に置かれる自ら隊と違い、遊撃隊は都内全域が担当エリアとなる。

さらに驚くことに、遊撃隊員は地域警察官でありながら、例外的に本職の機動捜査隊のように私服および覆面パトカーで警らすることもある。

当然、遊撃隊は同じ地域部である自ら隊とも連携している。

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